ヒズボラ最高指導者、武装解除要求を拒否、圧力強まる中 レバノン
ヒズボラは武装解除を拒否しているが、非公式には戦力を縮小する可能性を示唆している。
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レバノンの親イラン組織ヒズボラの最高指導者であるカセム(Naim Qassem)師が7月30日、同組織の武装解除を求める声を拒絶した。
カセム氏はテレビ演説で、「我が組織の武装解除を求める声はイスラエルに利益しかもたらさない」と述べ、イスラエルが武装解除に応じるのであれば、協議に応じる用意があると示唆した。
カセム氏はこう強調した。「我々に武装解除を要求する者はイスラエルにも武装解除を要求しなさい。私たちはイスラエルに屈服しない...」
イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。
イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと数千人の戦闘員を失った。
米政府は現在、レバノン政府に対し、ヒズボラの武装解除を確約するよう圧力をかけている。
ロイター通信によると、米当局はアウン(Joseph Aoun)大統領に対し、ヒズボラの武装解除を確約する政令を速やかに閣議決定するよう求めているという。
これに対し、レバノンはイスラエルによる軍事作戦を恒久的に停止するよう米当局に求めている。
米国はこの1カ月間、イスラエルが空爆を完全に停止し、南レバノンの5カ所から部隊を撤退させる見返りに、ヒズボラを完全に武装解除するようレバノン側に求めてきた。
ヒズボラは武装解除を拒否しているが、非公式には戦力を縮小する可能性を示唆している。
カセム氏は演説の中で、「国内、国際、またはアラブレベルで我々に武装解除を要求する者は、イスラエルの計画に奉仕しているとみなされるだろう」と強調した。