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レバノン・ヒズボラ、政府の武装解除計画を拒否、緊張高まる

ヒズボラの幹部は政府の方針がイスラエルに有利に働くとの見方を強めており、国内外の緊張が一段と高まっている。
2026年2月4日/レバノン、首都ベイルート、イスラエル軍に抗議するデモ(ロイター通信)

レバノンの親イラン組織ヒズボラは17日、レバノン政府が提示した武装解除計画とその4カ月の実施期間を拒否する姿勢を改めて示した。ヒズボラの幹部は政府の方針がイスラエルに有利に働くとの見方を強めており、国内外の緊張が一段と高まっている。

レバノン政府は昨年8月、陸軍が国内の全武装勢力を管理下に置く計画の策定と実施を命じた。この計画は主に、2024年のイスラエルとの戦争で大打撃を受けたヒズボラの武装解除を念頭に置いたもので、内閣は昨年9月にこの計画を閣議決定したものの、具体的な期限は設定していなかった。

政府は陸軍の月次報告を受けて、武装制限の対象地域をリタニ川以北からシドンのアワリ川まで拡大する計画に基づき、次の段階を進めるために最低4カ月の期間を認めると発表した。この期間は陸軍の実行能力やイスラエル軍の攻撃、現地での障害次第で延長可能としている。

しかし、ヒズボラは17日のテレビ演説で「武装解除に重点を置くことは重大な誤りであり、イスラエルの目的に奉仕する」と断じた。この発言に続き、同組織に近い閣僚らが閣議から退席し、国の軍備統制方針への抗議を示した。ヒズボラ派の議員は政府のアプローチを否定し、「妥協することはできない」と述べた。

ヒズボラは武装解除努力を強く批判し、政府や一部の政治勢力が国内秩序や国家主権よりもイスラエル側の利益を優先していると主張している。イスラエル側はヒズボラの武装解除を安全保障上の最優先事項と位置付け、武装解除計画の完全な実施を求めている。イスラエル政府は同組織が国家の統制外にある武器を保有し続けることが自国への直接的な脅威であると主張している。

この対立は、昨年11月に双方が合意した停戦以降も続く地域の不安定な状況を反映している。停戦合意は戦闘を止めたものの、ヒズボラが撤退することなく武装を維持していることを背景に、レバノンでは定期的にイスラエル軍による空爆が報告されている。政府の武装解除計画は停戦履行の一環と位置付けられているが、ヒズボラはリタニ川以北の地域に関して停戦合意の適用範囲外だと主張し、計画への協力を拒んできた。

レバノン国内では、政府とヒズボラの対立が政治的亀裂を深めつつあり、武装解除問題は国家の安定と地域の安全保障環境に大きな影響を及ぼす可能性がある。国際社会は引き続き中東の緊張緩和と停戦の持続に関心を寄せているが、ヒズボラの立場が揺らがない限り、進展は困難とみられている。

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