◎ライシ氏は2021年の大統領選で初当選を果たし、三権の長である最高指導者ハメネイ師の後継者候補のひとりと目されている。
イランのライシ(Ebrahim Raisi)大統領を乗せたヘリが隣国アゼルバイジャンの国境近くに不時着したとされる事故について、国営イラン通信(IRNA)は19日、40の捜索チームが現地入りし、ヘリを探していると報じた。
不時着から10時間近く経った今もライシ氏を含む乗組員の安否は明らかになっていない。
IRNAによると、ヘリにはライシ氏、アブドラヒアン(Hossein Amir-Abdollahian)外相、東アゼルバイジャン州の知事、その他の高官と護衛が搭乗していたという。
ライシ氏はアゼルバイジャンと国境を接する東アゼルバイジャン州のダム建設現場を視察。アゼルバイジャンのアリエフ(Ilham Aliyev)大統領と会談し、その帰りに事故に遭遇した。
ヘリはアゼルバイジャン国境に近い東アゼルバイジャン州の森林に不時着、もしくは墜落したとみられる。
内務省は「悪天候により不時着を余儀なくされた」と述べているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
ヘリに不具合が発生したという情報もない。
IRNAによると、赤新月社を含む40の捜索チームが現地入りし、ヘリを捜索しているという。
捜索隊はドローンによる空からの捜索を諦め、徒歩でヘリを探しているようだ。
ライシ氏は2021年の大統領選で初当選を果たし、三権の長である最高指導者ハメネイ(Ayatollah Ali Khamenei)師の後継者候補のひとりと目されている。
ハメネイ師は国民に宛てた声明で、「国の運営に問題はない」と述べ、国民に平静を保つよう呼びかけた。
ロシア、アゼルバイジャン、サウジ、イラク、カタールなどが事故に懸念を表明し、捜索活動への支援を申し出た。
アゼルバイジャン大統領府は「深く憂慮している」と声明を発表。必要な支援を提供する用意があると表明した。
米国防総省は「状況を注視している」とし、これ以上コメントすることはないと声明を出した。
ライシ氏が亡くなった場合は第一副大統領のモフベル(Mohammad Mokhber)氏が大統領代行となる。