◎アロウリ氏はハマスの副政治局長を務め、昨年10月のイスラエルに対する奇襲攻撃を敢行したハマスの軍事部門「カッサム旅団」の創設者のひとりである。
レバノンの首都ベイルートで4日、イスラエル軍の空爆で死亡したとされるパレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部アロウリ(Saleh al-Arouri、57歳)氏の葬儀が執り行われ、数千人が参列した。
アロウリ氏の棺はベイルートのモスクに運ばれ、その後、市内のパレスチナ人殉教者墓地に埋葬された。ハマスの幹部と戦闘員も参列し、そのうち何人かは武装していた。
AP通信によると、アロウリ氏の棺には自動小銃やコーラン(イスラム教の聖典)などが入れられたという。
葬儀にはパレスチナ自治政府の高官やレバノンの政治団体の代表も参列した。
ハマスの最高指導者ハニヤ(Ismail Haniyeh)氏は葬儀中に放送されたスピーチで、「ベイルートへの攻撃とアロウリ氏暗殺はイスラエルが血生臭い戦争を好んでいることを示している」と語った。
レバノンの政府高官などによると、イスラエルのドローンは2日、ベイルート南部のアパートにミサイルを2発撃ち込んだという。
イスラエル政府は現地メディアの報道を否定。「イスラエルはベイルートの爆発に関与していない」と主張している。
アロウリ氏はハマスの副政治局長を務め、昨年10月のイスラエルに対する奇襲攻撃を敢行したハマスの軍事部門「カッサム旅団」の創設者のひとりである。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はガザ紛争が始まる前からアロウリ氏を必ず殺害すると警告していた。
イスラエル政府はアロウリ氏がヨルダン川西岸地区における複数のテロ攻撃を主導したと指摘している。
米財務省は2015年、アロウリ氏を特別指定国際テロリストに指定し、逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金をかけていた。