◎ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は約4万人。負傷者は10万人近くに達している。
パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが11日、仲介国に対し、新たな停戦協定を模索するのではなく、今年5月に米政府などが示した案をイスラエルに提示するよう求めた。
米国、エジプト、カタールの首脳は先週、イスラエルとハマスにガザ停戦と捕虜解放の取り決めをまとめるため、8月15日にカイロかドーハで交渉の場を設けるよう呼びかけた。
ハマスはテレグラムに声明を投稿。「我々は米国の大統領が5月31日に示した停戦案、同月6日にカタールとエジプトが示した国連安保理決議に基づく枠組みによる停戦を望んでいる」と表明した。
イスラエルはこの案の中に含まれる複数の条件を拒否。ハマスは合意していた。
ハマスは声明の中で、「仲介国は侵略者に対し、これ以上の交渉や、侵略の隠れ蓑となる条件を提示せず、パレスチナの国民に対する大量虐殺を続ける時間を与えるような案を追求するのではなく、5月の案を提示すべきだ」と強調した。
イスラエルの地元メディアは11日、ハマスの声明を「全面拒否」と評した。
ハマスは恒久的な停戦とイスラエル軍の完全撤退を求めていたが、仲介国の要請を受け、イスラエルの主張に歩み寄る姿勢を示すも、交渉は思うように進展せず、先月末の最高指導者暗殺で完全に暗礁に乗り上げた。
ハマスは仲介国に対し、自分たちが合意した5月の案をテーブルに戻すよう要求した。
イスラエルがこれに基づく交渉に応じるかどうかは不明である。
ガザ地区ではイスラエル軍による空爆や砲撃が続き、10日にはガザ市の学校に爆弾が投下され、100人以上が死亡、数十人が負傷した。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は約4万人。負傷者は10万人近くに達している。