ハマスが武装解除を否定、中東歴訪中の米特使を非難、ガザ飢饉迫る中

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午前の時点で6万138人、負傷者は14万6269人となっている。
パレスチナ自治区、ガザ地区、イスラム組織ハマスの戦闘員(Getty Images)

パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスは2日、同組織が武装解除の意思を表明したという報道を否定した。

トランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使は2日、訪問先のテルアビブでイスラエル人捕虜の家族と面会した。

地元紙ハーレツによると、ウィトコフ氏は面会の中で、「ハマスは非武装化に合意する用意がある」と述べたという。

ハマスはこの報道に反発。同組織はパレスチナ領土の占領に対抗する国家的かつ合法的な権利を有していると強調した。

またハマスは「イスラエルの占領が続く限り、抵抗とその武器は国民的かつ合法的な権利である」と述べた。

さらに、「その権利は私たちの完全な国民的権利、とりわけ、エルサレムを首都とする完全な主権と独立を有するパレスチナ国家の設立が回復されるまで、放棄することはできない」とした。

イスラエルとハマスの停戦交渉は事実上破綻。停戦の見通しが立たない中、国際社会はイスラエルへの批判を強めている。

ガザの保健当局によると、23年10月に戦争が始まって以来、大勢の子供含む200人近くが餓死し、その大半が今年5月以降に確認されたという。

米国とイスラエルが運営するガザ人道財団(GHF)は5月27日に南部の複数のエリアで配給所の運営を開始。それ以来、配給所とその周辺で殺害された市民は1300人を超え、今も増え続けている。

トランプ(Donald Trump)米大統領は先月末、ガザに大飢饉が迫る中、イスラエルと連携してガザに新しい食料センターを開設すると表明。ウィトコフ氏は1日のガザ視察でこの開設に向けた準備を加速させると強調した。

ホワイトハウスはこの配給センターの詳細や、GHFが運営する既存の配給所との違いについて説明していない。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午前の時点で6万138人、負傷者は14万6269人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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