イスラム組織ハマス、60日間の停戦と人質の一部解放に同意=報道

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午後の時点で6万1944人、負傷者は15万7010人となっている。
2025年8月18日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部の避難所(Getty Images/AFP通信)

パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが60日間の停戦で同意した。現地メディアが18日に報じた。

ロイター通信はイスラエルとハマスの協議を仲介するエジプト当局者の話しとして、「ハマスは一部の人質の解放を含む、イスラエル側が示した60日間の一時停戦に同意した」と伝えている。

ハマス政治部門の幹部であるナイム(Basem Naim)氏はフェイスブックに声明を投稿。一時停戦を受け入れたことを確認した。

ナイム氏によると、ハマス以外の勢力もエジプトに一時停戦を支持する旨を伝えたという。

イスラエル政府はハマスの決定に対するコメントを出していない。

AP通信は政府筋の話しとして、「エジプトからハマスの提案を受け取った」と報じた。

エジプトとカタールは米国支援の下、両者の仲介役を務めている。

トランプ(Donald Trump)米大統領は先月初め、イスラエルが60日間の停戦に向けた条件に同意したと明らかにした。

イスラエルの政府高官は双方が60日間の停戦に合意した場合、イスラエルはその期間を利用して、「ハマスが武装解除することを条件とする恒久的な停戦」を提案する用意があるとしている。

イスラエル側は5月末にトランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めていた。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案していた。

トランプ氏はイスラエルが同意した停戦の条件を明らかにしておらず、ウィトコフ氏が示した案と同じかは不明である。

ハマスは過去の協議でも「恒久的な停戦」を求めてきた。

一方、ハマスの壊滅を目指すイスラエルは「期間を定めた停戦」には応じる姿勢を示している。

ハマスはイスラエルとの停戦交渉について、「すべての人質(遺体含む)を解放し、恒久的な停戦協定を結ぶ用意があると繰り返し表明してきたが、イスラエルがこれを拒否している」と主張してきた。

イスラエル当局は少なくとも20人の人質が生存していると考えている。

イスラエル軍はガザ市に対する総攻撃の準備を進めている。そこにとどまる多くの住民が西側と南側の避難所に移動している。

トランプ氏は18日、自身のソーシャルメディアプラットフォームに「ハマスと対峙し、破壊したときのみ、残りの人質が戻ってくる」と述べ、一時停戦明けにイスラエルが総攻撃を開始すると示唆した。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午後の時点で6万1944人、負傷者は15万7010人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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