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イスラム組織ハマス、人質1人の遺体イスラエルに返還へ、残り1人

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午前の時点で7万112人、負傷者は17万986人となっている。
2024年12月29日/パレスチナ自治区、ガザ地区北部の難民キャンプ、テント生活を送る家族(Getty Images/AFP通信)

パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスは2日、人質1人の遺体をイスラエル側に返還すると明らかにした。

返還は赤十字を介して行われ、イスラエル側に引き渡される。イスラエル当局が受け取り準備を進めている。

イスラエルとハマスの停戦協定は10月10日に発効。ハマスは合意・第一段階に基づき、生存している人質20人を全員解放したが、28人の遺体の引き渡しは期限内に間に合わなかった。

ハマスはこれまでに26人の遺体を返還。残り1人の捜索を続けているものとみられる。

イスラエルは赤十字を通じて受け取った遺体をただちに法医学検査に回すと発表。遺体の身元確認および死因や死亡時の状況の精査が行われる予定だ。

一方で、この返還をめぐっては、懸念や慎重な見方もある。過去にハマスから返還された遺体の中には、当初「人質の遺体」とされたものが、検査の結果、別人であると判定されたケースもあった。25年2月にはハマスが返還したとされる女性の遺体について、法医学による身元確認で別人と結論づけられ、イスラエルはこれを “停戦合意違反” と非難していた。

今回返還される遺体が残る人質のものであるかどうか、イスラエルによる検査の結果が注目される。

停戦協定では、ハマスが生存している人質を解放し、遺体も可能な限り速やかに返還することが定められていた。

イスラエルは返還の見返りとしてパレスチナ人受刑者・戦時拘束者約2000人を釈放。全ての遺体と引き換えに、360人の遺体をパレスチナ側に返還すると約束している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午前の時点で7万112人、負傷者は17万986人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万4000~1万5000人と推定されている。

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