◎現場近くではちょうど1年前に首都テヘランで警察官に殺害されたクルド人女性のアミニさんを悼む集会が開かれていた。
イラン南部の集落で正体不明の武装集団が準軍事組織に発砲し、1人が死亡、3人が負傷した。国営イラン通信(IRNA)が17日に報じた。
それによると、この現場近くではちょうど1年前に首都テヘランで警察官に殺害されたクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんを悼む集会が開かれていたという。
アミニさんの事件は全国規模のデモに発展。1979年のイスラム革命で政権を奪取した指導部にかつてない圧力をかけた。
IRNAによると、準軍事組織の戦闘員を狙ったとみられる攻撃はテヘランの南方約630キロに位置する集落で16日遅くに発生したという。
一方、西部のクルド人居住区では男性が治安部隊に銃撃され重傷を負ったと伝えられている。IRNAによると、この男性は軍の管理地域に入ったため、撃たれたという。
クルドの人権団体ヘンガウはこの男性の容体を「意識不明の重体」と報告している。
アミニさんの死を悼む集会はクルド人居住区だけでなくテヘランでも開かれた。治安部隊は集会が暴動に発展する可能性があるとして、市民に外出を控えるよう呼びかけている。
テヘランの一部企業や商店は指導部に抗議する一斉ストライキを行った。
アミニさんは昨年9月16日、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を正しく着用していないという理由で警察官に暴行を受け死亡した。
イラン指導部は公の場でのヒジャブ着用を義務付けている。
当局のデモを封じ込める取り締まりは虐殺に発展し、500人以上が死亡、2万2000人以上が逮捕された。
デモは今年初めにほぼ沈静化したが、指導部に対する不満の兆候はまだ広く残っており、都市部ではヒジャブを着用せずに外出する女性が多くみられる。
当局は今夏、ヒジャブ未着用者を厳しく取り締まるキャンペーンを開始した。