◎ギリシャの巡視艇はトルコ南西部沖から領海内に入り、人身売買に関与したとみられるボートを追跡するも、海岸から数十メートル地点で追跡を断念し、引き返した。
ギリシャ、南部クレタ島沖、移民を乗せたゴムボート(AP通信)

ギリシャ沿岸警備隊の巡視艇が隣国トルコの領海内に侵入し、海岸から数十メートルの地点まで不審な船を追跡、その後、ギリシャに戻った。トルコメディアが20日に報じた。

国営アナトリア通信などによると、ギリシャの巡視艇はトルコ南西部沖から領海内に入り、人身売買に関与したとみられるボートを追跡するも、海岸から数十メートル地点で追跡を断念し、引き返したという。

トルコ沿岸警備隊は声明で、「巡視艇を現場海域に派遣したが、到着時点でギリシャの巡視艇は領海外に出ていた」と述べた。

また同警備隊は「ギリシャ当局が追跡していた不審船を発見し、徒歩で森林に逃げ込んだとみられる密入国者を追跡している」とした。

ギリシャ沿岸警備隊は巡視艇が不審なボートを追跡していたことを認めたが、トルコの領海内に入ったとは明言しなかった。

ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。

トルコ西岸からは移民を乗せた船が定期的に出航している。ギリシャのコス島は20日の事件が起きた現場から6キロほどの地点に位置する。

地中海で活動するNGOや人権団体はギリシャ当局が移民船を拿捕し、トルコ側に押し戻していると主張している。トルコ政府も同様の主張を繰り返しているが、ギリシャはこれを否定している。

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