◎アサド政権は化学兵器の使用を否定しているが、OPCWは内戦下で化学兵器が繰り返し使用されたことを示す証拠を発見している。
化学兵器禁止機関(OPCW)は9日、シリアのアサド政権が崩壊したことを受け、同国内にある化学物質が反体制派の手に渡り、悪用される可能性があると警告した。
OPCWは声明で、「シリア当局に対し、特定の有毒化学物質の取り扱いに関する国際規則を遵守するよう注意喚起した」と明らかにした。
またOPCWは「化学兵器関連施設や最新の動向を注視している」と述べた。
シリアのジャラリ(Mohammed Ghazi Jalali)首相は9日、ほとんどの閣僚はまだ首都ダマスカスの事務所で業務を継続しているが、化学兵器の備蓄状況は不明であると声明を出した。
OPCWによると、オランダ・ハーグの本部事務所がシリア当局と連絡を取り合っているという。
一方、隣国イスラエルの外相は9日、化学兵器が反体制派の手に渡らぬよう、化学兵器が保管されているとみられる施設を空爆したと明らかにした。死傷者の情報はない。
イスラエル軍は前日、1967年の第三次中東戦争でシリアから奪い取ったゴラン高原の緩衝地帯も制圧している。
アサド政権は化学兵器の使用を否定しているが、OPCWは内戦下で化学兵器が繰り返し使用されたことを示す証拠を発見している。
OPCWは今年初め、イスラム国(ISIS)グループがマスタードガスを使用していると明らかにした。
ロシア大統領府は9日、アサド(Bashar Assad)大統領の政治亡命を許可したと発表した。アサド氏の所在地は明らかになっておらず、プーチン(Vladimir Putin)大統領と会う予定もないとのこと。