パレスチナ・ガザ地区で行方不明者の捜索続く、気温低下で住環境さらに悪化
現地メディアによると、過去数日の大雨で多くの避難所が水浸しになり、気温が低下する中、ボランティアが崩壊した建物の瓦礫を手作業でかき分け、遺体を探しているという。
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現地メディアによると、過去数日の大雨で多くの避難所が水浸しになり、気温が低下する中、ボランティアが崩壊した建物の瓦礫を手作業でかき分け、遺体を探しているという。当局は雨による浸水や土台の緩みでさらに建物が倒壊する可能性を警告している。
ガザ当局によると、先週末までの大雨で少なくとも2棟の建物が倒壊し、避難していた12人が死亡したという。これらの建物は過去の空爆で著しく損壊し、雨水が内部に流れ込んだ影響で、耐力がさらに低下したとみられている。住民らは浸水したテントや仮設住居で生活しており、雨による寒さの中で避難生活を余儀なくされている。
ガザ当局は国際社会に対し、テントではなく移動式住居やキャンピングカーなど、より安全な避難施設の提供を求めている。
被災者の多くは紛争で住まいを失い、適切な避難場所を持たないまま冬の嵐に晒されている。
一連の悪天候は瓦礫の下に埋まった遺体の捜索にも大きな影響を与えている。ガザ当局は瓦礫の下敷きになった行方不明者を約9000人と推定。捜索に必要な重機や適切な装備が不足しているため、作業が困難になっている。捜索活動は人手と簡易な工具によって行われており、雨や泥に阻まれ遅々として進んでいない。
ある住民はロイター通信の取材に対し、「戦争で大きく損傷した建物が崩壊し、息子と娘が埋まったままになっている」と語った。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は先週、重度の雨と低温により多くの人々が「凍死する危険にさらされている」と警告。人道支援を拡大するよう懇願した。UNRWAは数か月にわたり支援物資を提供してきたが、輸送や配布の制限により十分な援助が届いていないと指摘している。
国連やパレスチナ自治政府も約150万人が依然として避難生活を送っており、少なくとも30万張りの新しいテントが緊急に必要だと訴えている。既存のテントは老朽化し、寒さや雨水を防ぐことができないため、住環境は極めて劣悪な状態が続いている。
ガザの状況は今年10月にイスラエルとイスラム組織ハマス間で停戦が成立した後も、人道支援の不足や戦争の爪痕の深さを改めて浮き彫りにしている。インフラの破壊は広範囲に及び、復旧には年単位の時間と数十億ドル規模の資源が必要になる。国際社会は人道的援助の拡充と、安全な避難施設の提供を急ぐ必要に迫られている。
