ガザ停戦交渉難航、イスラエル政府高官「ハマス次第」

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は10日午前の時点で5万7762人、負傷者は13万7656人となっている。
2024年1月7日/パレスチナ・ガザ地区南部の病院(Getty Images)

イスラエルとパレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが1~2週間以内に停戦と人質の解放で合意する可能性がある。イスラエルの高官が9日、明らかにした。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は8日、トランプ(Donald Trump)米大統領と2日連続で会談し、ガザ問題などについて協議した。

この訪問に同行していた政府高官はロイター通信の取材に対し、「1~2週間以内に停戦と人質の解放で合意する可能性があるが、すぐに合意することはない」と語った。

また高官は双方が60日間の停戦に合意した場合、イスラエルはその期間を利用して、ハマスが武装解除することを条件とする恒久的な停戦を提案する用意があると述べた。

イスラエル側は5月末にトランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めていた。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案していた。

トランプ氏はイスラエルが同意した停戦の条件を明らかにしておらず、ウィトコフ氏が示した案と同じかは不明である。

ハマスは過去の協議で「恒久的な停戦」を求めてきた。

一方、ハマス壊滅を目指すイスラエルは「期間を定めた停戦」には応じる姿勢を示している。

ロイターの取材に応じた高官は「ハマスが提案を拒否した場合、ガザでの軍事作戦を継続する」と語った。

トランプ氏は以前、今週中に停戦が成立する可能性を示唆。ネタニヤフ氏が10日にイスラエルに戻る前に停戦合意を発表する可能性も浮上していた。

しかし、トランプ氏はタイムラインを若干延長したように見え、9日、記者団に対し「合意は非常に近いが、今週か来週になる可能性もある」と述べ、さらに「それは確実ではない」と付け加えた。

米国とイスラエルが主導するガザ人道財団(GHF)は5月27日に南部の複数のエリアで配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で600人以上のパレスチナ人が殺害された。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は10日午前の時点で5万7762人、負傷者は13万7656人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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