◎ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午前の時点で4万3200人超、負傷者は10万2000人近くに達している。
イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃が続く中、国連児童機関(ユニセフ)は2日、包囲戦が続くガザ北部でポリオワクチン接種キャンペーンを再開したと明らかにした。
イスラエル軍は4週間以上に渡ってガザ北部を包囲し、イスラム組織ハマスの武器庫や施設を空爆。多くの住宅や難民キャンプが瓦礫の山となった。
ユニセフは声明で、「ポリオを含む感染症のリスクが劇的に高まり、さらに、戦争による極めて過酷な条件の中、接種キャンペーンを再開した」と述べた。
ポリオは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
死亡率はワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、特に妊婦は重症化リスクが高い傾向にある。
この第1段階は9月に実施され、生後1日以上10日未満の56万人以上の子供たちに接種された。ユニセフは他の国連機関などと連携して、2回目の経口ワクチン接種を進めるとしている。
ユニセフは声明の中で、「ポリオワクチンが多くの子供の命を救う一方、包括的かつ永続的な停戦が実現するまで、信じられないほど多くの子供が毎日命を落とし、苦しみ続けることになる」と述べ、イスラエルとイスラム組織ハマスに改めて停戦に応じるよう呼びかけた。
国連によると、このキャンペーンでは推定11万9000人の子供にワクチンを接種する予定だが、イスラエル軍による封鎖の影響で目標を達成することは困難だという。
ユニセフは「216のチームが106の医療センターでワクチンを提供している」と述べた。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午前の時点で4万3200人超、負傷者は10万2000人近くに達している。