◎火災は17日に発生し、住宅内にいたとされる22人が死亡した。
パレスチナ当局は20日、ガザ地区のジャバリア難民キャンプの住宅で発生した火災について、パーティーに参加した男性が手品にガソリンを使い、出火したと報告した。
火災は17日に発生し、住宅内にいたとされる22人が死亡した。当局は子供10人を含む少なくとも21人が死亡したと発表していたが、20日の声明で新たに1人の死亡を確認したと報告した。
当局によると、パーティーに参加した22人全員が死亡し、当時の様子を証言できる人はひとりもいなかったという。
検察の報道官は記者団に対し、「人々は海外から戻った男性を祝うために集まった」と説明した。
ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスは声明で、「男がガソリンを使った手品を披露し、火事を引き起こした」と断言したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
「男は手品に失敗し、ガソリンを入れたタンクが爆発したのだろう...」
報道によると、死亡したのは夫婦とその子供6人、夫婦の親族13人。残り1人も親族とみられる。
パレスチナ自治区内で一度に20人以上が死亡したのは紛争を除くと初めて。報道によると、火事に気付いた周辺住民が消火を試みたものの、入り口に鍵がかかっていたため、うまく消火できなかったという。
検察はパーティーに参加した親族の知り合いの女性に話を聞いたようだ。手品を披露したとされる男性はガソリンを使った手品が好きだったとのこと。
AP通信によると、検察は質問を一切受け付けなかったという。
検察は女性が撮影したとされる住宅内の映像を公開した。住宅内には車のタイヤや新聞紙などが山積みにされていた。
ハマスは住宅内のガソリン保管庫が爆発したと発表していた。専門家によると、ガザ地区は深刻なエネルギー不足に悩まされており、多くの市民が自宅にガソリンを備蓄しているという。
今回の火災でガザ地区のインフラが脆弱であることが改めて浮き彫りになった。
報道によると、火災発生から数十分後に消防車が1台到着したものの、はしごが装備されておらず、消防士たちは火元である3階への放水にひどく苦労したという。
ガザ地区の人口は推定230万人。人口密度は世界の主要都市に匹敵し、約60万人が難民キャンプのある狭いエリアで生活している。
地区の平均人口密度は東京都とほぼ同じで1㎢あたり5700~5800人。市中心部は9000人を超える。