◎エジプトなどの仲介国による停戦交渉は難航しており、ラマダンが始まる3月10日頃までに停戦が実現するかどうかは不透明な情勢だ。
国連世界食糧計画(WFP)は7日、パレスチナ・ガザ地区外に市民230万人を養うのに十分な食料があるにもかかわらず、イスラエルの国境封鎖によってそれを届けられずにいると警告した。
WFPパレスチナ事務所のアブデルジャベル(Samer AbdelJaber)代表は声明で、「ガザ地区外で市内の全住民を養うのに十分な食料を確保している」と強調した。
ガザの保健当局は昨年10月の開戦以来、少なくとも20人が餓死したと報告している。
アブデルジャベル氏は「イスラエルとの国境を開放をして、食料を運び込むことが重要だ」と述べた。
またアブデルジャベル氏は市全域で栄養失調と脱水を訴える市民が急増していると警告した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)も先週のブリーフィングでガザの人口の25%、推定57万6000人が飢餓の一歩手前にあり、2歳以下の子供の6人に1人が栄養失調に苦しんでいると警告していた。
ガザ当局は6日、15歳の少女が栄養失調により死亡したと発表。今週初めにも9歳の少女が南部ラファの病院で亡くなっている。
エジプトなどの仲介国による停戦交渉は難航しており、ラマダンが始まる3月10日頃までに停戦が実現するかどうかは不透明な情勢だ。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは7日、ハマス高官の話しとして、「ラマダンまでの停戦は極めて難しい」と報じた。
イスラエルは仲介国が示した6週間の休戦に応じるとしているが、ハマスは恒久的な停戦とイスラエル軍の完全撤退を求めており、妥協案には応じない姿勢をみせている。