◎パレスチナ側の死者は3万4600人超、負傷者は8万人近くに達した。
国連世界食糧計画(WFP)は5日、パレスチナ・ガザ地区北部が飢饉に見舞われ、地獄のような状況に陥っている警告した。
WFPのマケイン(Cindy McCain)事務局長は5日に放送されたNBCのインタビューで、「ガザの一部地域が本格的な飢饉に見舞われ、さらに悪化する可能性がある」とか語った。
またマケイン氏は即時停戦に応じるよう双方に求め、「対応が遅れるとさらに多くの命が失われ、飢饉が南部に拡大する」と警告した。
マケイン氏は進行中の飢饉が「戦後最悪の大飢饉」に発展する恐れがあると警鐘を鳴らし、即時停戦はもちろん、ガザ地区への人道支援輸送を現在の数十倍に引き上げるよう懇願した。
国連はまだ飢饉を宣言していないが、多くの専門家や現地メディアが主に北部で栄養失調により亡くなる人が増えていると報告している。
マケイン氏は「見るのも聞くのもつらい。今すぐ停戦に合意し、特に北部の住民により迅速に食料を提供できるようになることを願っている」と述べた。
一方、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ(Phillipe Lazzarini)事務局長は6日、イスラエル軍がガザ検問所の警備を強化し、さらに、人道支援を現地に届ける職員への攻撃を繰り返していると非難した。
それによると、過去2週間で輸送隊への発砲、嫌がらせを含む国連職員の逮捕、検問所で女性が服を脱ぐよう強制される、武器で脅される、検問所で長時間待たせるなど、少なくとも10件の違法行為を調査していると明らかにした。
ラザリニ氏はイスラエル当局がガザの飢饉を防ぐために奮闘している支援チームに恐怖を与えたり、暴力を振るう事案が多数報告されていると強調した。
ガザの保健当局によると、パレスチナ側の死者は3万4600人超、負傷者は8万人近くに達した。
ハマスは6日、仲介国が提案した休戦案を支持すると表明。イスラエル政府はハマス壊滅という目標は変わらないとしたうえで、ハマスが支持した案をチェックしていると明らかにした。