◎イスラエルは2015年以降、毎年同大会でグランドファイナルの出場権を獲得している。
欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」が開催されるスウェーデン南部マルメで9日、イスラエル歌手の出場に抗議する親パレスチナデモが行われ、数千人が参加した。
デモ隊はパレスチナの国旗を振り、「イスラエルを大会から追放せよ」などとシュプレヒコールを上げた。
その日の夜、親イスラエル派が会場近くの通りを行進し、「ゴラン最高!」と叫んだ。
イスラエルは2015年以降、毎年同大会でグランドファイナルの出場権を獲得している。今年はロシアで育ったエデン・ゴラン(Eden Golan、20歳)さんが出場した。
ゴランさんはイスラエルのガザ侵攻をめぐる論争に巻き込まれ、出場が危ぶまれていた。しかし、同大会の主催団体は今年2月、イスラエルの大会出場を容認した。
ゴランさんはファンと審査員投票の末、グランドファイナルに進出した。
現地メディアによると、ゴランさんは8日のドレスリハーサルでブーイングを浴びたものの、9日の本番では万雷の拍手で迎えられたという。
本番の間、表立った抗議のサインはなく、ゴランさんはパフォーマンスの最後に大きな声で「ありがとう」と叫んだ。
イスラエル外務省は8日朝、X(旧ツイッター)にこう投稿した。「彼女は並外れたパフォーマーであるだけでなく、強さと回復力の象徴です。イスラエル国家があなたを応援しています」
ソーシャルメディアにはゴランさんを擁護する投稿とイスラエルの出場に反対する投稿が多数寄せられている。
あるイスラエルのXユーザーは「イスラム組織ハマスの支持者がユーロビジョン会場でテロを画策している」と書き込んだ。
公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)は警察関係者の話しとして、「大会を標的とするテロが計画されているという情報はない」と伝えている。