▽シリアは欧米諸国に対し、アサド政権時代に科した制裁の解除を求めてきた。
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EUのカラス(Kaja Kallas)外交安全保障上級代表は20日、シリアに対する経済制裁を解除することでEU加盟27カ国が合意したと発表した。
カラス氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「EUはシリア国民が新しく、包括的で平和なシリアを再建するのを支援したい」と述べた。
トランプ(Donald Trump)米大統領は先週、アサド政権時代に科した対シリア制裁を緩和し、関係正常化に向けた取り組みを開始すると表明。その翌日にはサウジアラビアの首都リヤドでシリア暫定政府のシャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)大統領と会談した。両国の首脳が会談したのは25年ぶりであった。
EU理事会も声明を出し、「アサド前政権に関連する制裁および国内弾圧に使用される可能性のある武器や技術を含む安全保障上の理由に基づく制裁は継続する」と表明した。
また理事会は「シリアの不安定化を煽っている反体制派に対して、さらに対象を絞った制限的措置を導入する」とした。
シリアのシェイバニ(Asaad Hassan al-Shibani)外相はXへの投稿でEUの決定を歓迎。「これはシリアの安全と安定に向けた取り組みを強化するだろう」と述べた。
アサド(Bashar Assad)前大統領は昨年末、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
それ以来、シャラア氏が暫定政府を率いてきた。米政府はシャラア氏に対する1000万ドルの報奨金を解除している。
シリアは米国の厳しい制裁で世界の金融システムから締め出された。人々は内戦が事実上終結し、最も投資が必要なときに世界経済に復帰できるかもしれないという希望を抱いている。
シリアと国境を接するイスラエルは米国に対シリア制裁を緩和しないよう繰り返し呼びかけていた。
トランプ政権はまだシリア暫定政府を承認しておらず、制裁も維持している。シリアは欧米諸国に対し、アサド政権時代に科した制裁の解除を求めてきた。