EU、新たな対イラン制裁承認へ、抗議デモ弾圧受け
制裁は人権侵害への対応措置として実施される予定で、加盟27カ国の外相がブリュッセルの会合で承認する見通しだ。
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EUはイラン国内での反政府デモに対する治安当局の弾圧を受けて、新たな対イラン制裁を今週承認する見込みである。現地メディアが27日に報じた。制裁は人権侵害への対応措置として実施される予定で、加盟27カ国の外相がブリュッセルの会合で承認する見通しだ。
ロイター通信は関係筋の話しとして、「新たな制裁措置はイラン国内での人権状況に関与した約20の個人や団体を対象とし、資産凍結や渡航禁止などが含まれる可能性が高い」と報じた。これらはEUの人権規則に基づくもので、イラン当局による抗議デモの弾圧や、その後の人権侵害に対する圧力を強める狙いがある。
また、制裁にはイランがドローンやミサイルの生産に使用できる部品に対する輸出管理の強化も盛り込まれる方向で調整が進んでいる。これにより、武器生産につながる戦略物資の流出を防ぎ、既存の対ロシア制裁と整合性を持たせることが狙いだ。輸出制限の対象には航空・宇宙や軍需分野の技術・部品が含まれる可能性がある。
ただし、EUが革命防衛隊(IRGC)をテロ組織に指定するかどうかについては意見が分かれている。フランスはこの指定に反対しており、指定が実現しない可能性が高いとみられている。反対の背景には、指定が外交関係を悪化させ、フランス人拘束者の帰還交渉に影響を与える恐れがあるとの懸念があるためだ。一方、イタリアなど一部の加盟国はIRGCのテロ指定を求め、EU内の対立が露呈している。
IRGCは1979年のイスラム革命後に設立され、イランの軍事・経済の主要部分を掌握している。特に核・ミサイル開発プログラムや国内治安維持など幅広い影響力を持ち、米国やEUによる過去の制裁でも主要な標的となってきた。
こうした制裁強化の背景には、イランで続く抗議活動および治安当局の対応への国際的な批判が高まっていることがある。国連人権理事会は先週、イラン政府を「残酷な弾圧」で非難し、緊急会合で最新の弾圧を調査対象に含める決議を採択した。これに対しイラン政府は批判を一蹴し、西側諸国による介入的行為だと主張している。
EUはこれまでにもイランに対して複数の制裁パッケージを実施し、2000年代以降は核開発問題や人権侵害、テロ支援疑惑などを理由に対象を拡大してきた。今回の追加制裁はその延長線にあるものの、地域の安定や外交関係への影響を考慮した調整も余儀なくされている。
制裁は加盟国全体の合意をもって発効し、今後数日以内に正式な発表が行われる見込みである。EUは制裁を通じて、イラン政府に対して人権尊重と民主的プロセスの回復を促すとともに、欧州の外交政策の一環として中東地域の安全保障に寄与したい考えだ。
