▽オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は25日、シリアのクルド人自治区で活動するクルド系組織に武器を捨てるよう命じ、応じない場合は「滅ぼす」と警告した。
エルドアン氏は首都アンカラの国会で演説。「シリアのテロリストは武器を捨てるか、滅ぶか、選択することになる」と語った。
米政府の支援を受けるクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は今週、シリア北部のトルコ国境付近の領土を奪還するため、トルコ政府が支援する「シリア国民軍(SNA)」に対する反攻を開始した。
今月初めに旧アサド政権が崩壊して以来、両陣営はトルコ国境付近の要衝マンビジとその周辺で戦闘を繰り広げてきた。
SDFは米の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコはこれをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなしている。
トルコ政府はシリアの政変以来、YPGの解散を繰り返し要求し、応じない場合は厳しい対応を取ると警告してきた。
シリアのクルド系組織は政変に乗じて活動を活発化させている。
エルドアン氏は国会で、「分離主義者のテロリストどもは武器に別れを告げるか、武器とともにシリアの大地に還るか、選択することになるだろう」と語った。
またエルドアン氏は「クルド系組織を根絶やしにする」と強調した。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。