◎オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は16日、イラクのトルコ軍基地が攻撃を受け、兵士9人が死亡したことを受け、イラクとシリアのクルド人武装勢力に関連する組織に対する軍事作戦を拡大すると言明した。
同軍の戦闘機とドローンは武装勢力がイラク北部のクルド自治区にある基地への侵入を試みて以来、クルド労働者党(PKK)やその関連組織が拠点を置くイラクとシリアへの空爆を続けている。
エルドアン氏は閣議の演説で、「空軍の戦闘機が過去5日間でシリアとイラクのテロ拠点114カ所を破壊した」と語った。
またエルドアン氏は「情報機関による別の作戦で60のインフラ施設なども破壊した」と付け加えた。
さらに、「我が国はシリアとイラクに潜伏するクルド人テロ組織の脅威を根本から排除する決意を固めている」と強調。地上作戦を行うかどうかには言及しなかった。
「我々はテロの源となっているイラク北部の山々やシリアの安全が確保されるまでやめない。誰が何を言おうと、どんな脅しをかけようと、どんな計画を立てようと、絶対にやめない」
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコ政府はこの紛争を主導するPKKやクルド人民防衛部隊(YPG)などをテロ組織に指定し、シリアとイラクのクルド勢力拠点を定期的に空爆している。
米国とEUもPKKをテロ組織に指定している。