◎イスラエル軍は1月2日未明にガザ地区南部の町ハーン・ユーニスを空爆した
2022年1月2日/パレスチナ、ガザ地区南部のハーン・ユーニス、イスラエル軍の空爆(Yousef Masoud/AP通信)

1月2日、エジプト政府はイスラエル軍とパレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム過激派組織ハマスに敵対行為を控えるよう促し、昨年5月の停戦協定を遵守するよう求めた。

ガザ地区の過激派は1月1日にイスラエルに向けてロケット弾数発を発射したと伝えられている。イスラエル軍はこれに強く反発し、2日未明にガザ地区南部の町ハーン・ユーニスを空爆した。主要メディアによると、今のところ死傷者は確認されていないという。

イスラエル軍は2日の声明で、「ハマスの軍事拠点およびロケット弾の製造施設を空爆した」と述べた。

昨年5月に勃発したイスラエルとハマスの戦闘は11日間続き、国連の統計によると、ガザ地区では子供66人と女性41人を含む260人が死亡したという。ハマスは戦闘員80人の死亡を認めたが、イスラエル軍は80人以上殺害したと主張している。イスラエルでは子供2人を含む民間人12人と兵士1人が死亡した。

イスラエルとハマスはエジプトなどの仲介を受け停戦協定に合意したが、締結後も小規模な衝突が各地で続いている。

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は2日の閣議で、「イスラエルにロケットを向ける者は責任を負うことになる」と警告した。

AP通信などによると、ガザ地区の過激派と思われる戦闘員は昨年末、国境付近でイスラエルの市民を銃撃し、負傷させたという。イスラエル軍はハマスの拠点に迫撃砲を打ち込み、これに対応した。

エジプトの外交官はAP通信の取材に対し、イスラエル軍はガザ地区のハマスや他の過激派勢力に対する挑発的な行動を直ちに停止し、昨年の停戦協定を遵守するよう強く求めた。「当事者とそこで生活する市民は戦争を望んでいません。イスラエルとハマスは様々な保証と関係の進展を望んでいます」

イスラエルとハマスは2007年の選挙でハマスがガザ地区の支配を確立して以来、4つの戦争と数百の小競り合いを演じてきた。

ハマスはイスラエルとエジプトがガザ地区に課した封鎖に強く反発しており、昨年の停戦協定交渉においても、「エジプトはガザの封鎖の緩和に向けた取り組みを進めていない」と非難していた。

またハマスは、イスラエルの刑務所でハンガーストライキを行っているパレスチナ人受刑者が死亡した場合、イスラエルに聖戦(ジハード)を仕掛けると警告している。

イスラエル政府の管理下に置かれているジハード組織のヒシャム・アブ・ハワシュは、130日以上ハンガーストライキを継続している。

イスラエル政府は起訴されていない容疑者の無期限拘束を認めており、パレスチナの人権団体から非難されている。

2021年5月11日/イスラエル南部のアシュケロン、ハマスのロケットランチャーを迎撃するミサイルとイスラエル兵(AP通信/Ariel Schalit)
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