シリア南部スウェイダで戦闘再燃、緊張高まる
スウェイダ県では7月、アラブ遊牧民ベドウィンの武装勢力と地元のドルーズ派の治安部隊および民兵が衝突し、銃撃戦に発展。子供を含む多くの一般人が巻き込まれた。
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シリア南部スウェイダ県で地元のドルーズ派武装勢力と国軍が衝突した。現地メディアが14日に報じた。
それによると、戦闘は13日に発生。半日ほどで沈静化したという。
双方は相手が停戦協定を破ったと非難。AP通信は当局者の話しとして、「複数人が負傷したという情報がある」と伝えている。死者の報告はない。
スウェイダ県では7月、アラブ遊牧民ベドウィンの武装勢力と地元のドルーズ派の治安部隊および民兵が衝突し、銃撃戦に発展。子供を含む多くの一般人が巻き込まれた。
地元当局は一連の戦闘で1000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告している。
暫定政府は衝突発生直後に軍を派遣したものの、ドルーズ派の保護を名目にイスラエル軍が軍事介入したため、いったん撤退。イスラエル政府はその後、シリア軍がスウェイダに立ち入ることを許可した。
ベドウィンは7月20日までにスウェイダから撤退。それ以来、国軍が治安維持任務に当たっている。
ドルーズ派はイスラム教シーア派の分派のひとつ。世界の約100万人のドルーズ派の半数以上がシリアに住んでいる。
他のドルーズ派のほとんどは1967年の第三次中東戦争でイスラエルがシリアから奪取し、1981年に併合したゴラン高原を含むイスラエルに住んでいる。
スウェイダの武装勢力は声明で、「政府軍が発砲してきたため、応戦した」と主張。「政府軍は重火器・中火器と攻撃用ドローンを使用し、我々の防衛線を突破し重要拠点を狙った」と非難した。
また武装勢力は「我が軍はこの攻撃を撃退し、政府軍に甚大な損害を与えた」と主張した。
暫定政府はドルーズ派の派閥が先に停戦協定を破ったと非難した。「一部の武装勢力と国民防衛隊と称する組織が緩衝地帯への攻撃を開始したため、応戦した。これは停戦合意への明白な違反であり、住民の帰還に向けた復興努力を妨害するものだ...」
