◎1951年に採択された国連の「難民の地位に関する条約」は国境を越えた移民・難民の権利を保障しており、亡命の機会を与えずに送還することを禁じている。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は25日、ギリシャ政府の移民政策を非難し、「沿岸警備隊が海上で保護した移民をトルコ側に不法に押し返している」と主張した。
MSFは公式ホームページに声明を掲載。「西欧への亡命を希望する人々はエーゲ海で危機的状況に直面している」と述べた。
「子供や女性を含む多くの亡命希望者が暴力にさらされ、正体不明のギャングに誘拐され、ギリシャ領海からトルコに押し返されています...」
週末の議会選で大勝したミツォタキス政権は現在、移民の一団がレスボス島からトルコ領海に不法に押し返されたという人権団体の主張を調査している。
米紙ニューヨーク・タイムズは先週、移民たちがギリシャ沿岸警備隊の巡視艇に乗せられ、トルコ領海近くで置き去りにされたと報じた。人々はその後、トルコの沿岸警備隊に救助されたようだ。
1951年に採択された国連の「難民の地位に関する条約」は国境を越えた移民・難民の権利を保障しており、亡命の機会を与えずに送還することを禁じている。
ギリシャ政府は人権団体の告発を繰り返し否定している。
レスボス島は西欧でのより良い生活を求める中東・アフリカ・アジアの移民の上陸拠点になっている。この地域で活動する人身売買組織は移民にボートを提供し、法外な報酬を要求している。
MSFは声明の中で、「多くの移民がMSFの医療サービスを受けることなく不法にトルコ領海に押し戻されたり、密かに国外追放された可能性がある」と述べている。
またMSFは「追放を恐れる移民たちはしばしば島の森に身を隠すため、探すのに何日もかかることがある」と説明した。「その多くが食料や水を必要とする子供と女性であり、発見の遅れは生命にかかわります....」
それによると、MSF職員は2022年6月以降、移民がいると報告を受けた場所で1000人近くを見つけることができなかったという。
2015年には100万人近くがトルコからギリシャに渡り、そのほとんどがレスボス島に上陸した。ギリシャ政府は2019年に海上パトロールを強化し、そこにたどり着く移民の数は激減した。