イラン暴動、死者500人超、1万人逮捕=人権団体
抗議行動が始まってから約2週間で、490人のデモ参加者と48人の治安部隊要員の死亡が確認され、数万人規模の逮捕者が出ているという。
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イラン全土で抗議デモの取り締まりが続く中、死者が500人を超えた可能性があると米国に拠点を置く人権団体が11日、明らかにした。その集計によると、抗議行動が始まってから約2週間で、490人のデモ参加者と48人の治安部隊要員の死亡が確認され、数万人規模の逮捕者が出ているという。これらの数字は人権団体HRANA(Human Rights Activists News Agency)が国内外の活動家の情報を基にまとめたもので、当局は死者・逮捕者数を公表していない。
このデモは昨年末、通貨リアルの暴落やインフレの急激な進行を背景とする物価高への不満から始まったが、次第にイスラム教シーア派指導体制そのものへの批判に発展し、首都テヘランやマシュハドなど各地で大規模なデモが続いている。政府はインターネットを遮断し、通信を制限するなど情報統制を強化、実態の把握が困難な状況だ。
一方、政府は抗議行動を「暴徒」や「外国勢力に扇動されたもの」と位置付け、強権的な対応を続けている。治安部隊は実弾を用いているとされ、デモ隊との衝突で多数の犠牲者が出ているとの報告がある。インターネット遮断の影響で正確な被害状況は不明だが、映像や断片的な報告では市民と治安部隊の激しい衝突が伝えられている。
逮捕者数も増加しており、HRANAはこれまでに1万600人超が拘束されたと報告している。逮捕者の中には学生や労働者、市民活動家が含まれ、国際的な人権団体や海外の反体制派は即時釈放を求める声明を出している。
これに対し、議会議長は米国やイスラエルが介入すれば「正当な標的」として反撃するとの強硬な声明を出した。また議長は米国が介入するなら軍事基地や艦船を標的にすると述べ、緊張が高まっている。
米側ではトランプ(Donald Trump)大統領が抗議デモへの支持を表明し、政府高官が軍事攻撃やサイバー攻撃の可能性、追加制裁の検討など多様な対応策を模索しているとの報道もある。国際社会は暴力の即時停止と対話による解決を求めており、国連事務総長も暴力に対する懸念を表明し、関係者に対話と抑制を強く求めた。
抗議デモは主要都市で続いているとみられ、市民生活への影響も広がっている。国内外では死者数や拘束者数の増加を受け、今後の展開が国の安定や地域情勢に大きな影響を与える可能性が指摘されている。当局による発表がない中で、実際の被害規模はさらに拡大しているとの見方もある。
