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レバノン第2の都市で集合住宅倒壊、15人死亡

トリポリはレバノン第2の都市だが、長年にわたり政府によるインフラ整備の遅れや建築基準の欠如が指摘されてきた。
2026年2月9日/レバノン、北部トリポリ、集合住宅が倒壊した現場(ABCニュース)

レバノン北部トリポリで8日午後、集合住宅が倒壊し、捜索・救助活動の結果、15人が死亡した。国営メディアが9日に報じた。それによると、負傷者は8人にのぼり、住民らが現場で救助活動に当たった。倒壊したのは貧困地区にある6階建ての集合住宅だった。

事故は8日午後に発生。地元当局は建物が突然倒壊したと報告し、少なくとも1人が銃創を負ったとしている。現場付近では住民が空に向けて発砲する光景も見られ、悲嘆と怒りが交錯した状況が伝えられている。周囲の建物も安全性が懸念され、住民の避難が進められた。

トリポリはレバノン第2の都市だが、長年にわたり政府によるインフラ整備の遅れや建築基準の欠如が指摘されてきた。建築物の老朽化や違法建築が多い地域ではこのような事故がしばしば発生しているものの、今回のような多数の死者を伴う大規模な事故は稀で、住民や市民団体の怒りを買っている。

崩壊した建物には複数世帯が居住し、住民らは倒壊直後から近隣住民らと共に生存者の捜索を行った。救助隊も加わり、瓦礫の山から生存者を救出するために人力と重機を使った作業を続けたが、対応の遅れが被害拡大の一因との批判も出ている。救助活動の結果、8人が救出されたものの、多くは重傷を負い、病院に搬送された。

地元住民や活動家は建物の老朽化とインフラを長年にわたり放置してきた政府への不満を強めている。トリポリ市内ではこの事故を受けて抗議デモが起き、当局に対して建物の安全性調査と補修、老朽化建築の撤去・再建を求める声が上がった。多くの住民は住宅安全基準の徹底や適切な監視体制の構築が欠かせないとしている。

政府当局は今回の事故原因を調査するとともに、責任のある関係者に対して法的措置を取る方針を示している。地元政府関係者は近隣住民への支援や被災者家族への補償など人道的対応を進めると表明した。また、類似の事故を防ぐための建物検査と安全対策強化も約束した。

経済危機と政治的混乱が続くレバノンでは住宅インフラの老朽化が深刻な社会問題となっている。専門家は安全基準の強化や長期的な都市再建計画が必要であり、住民の安全確保が最優先課題であると指摘している。今後の対応によっては、さらなる社会不満の高まりが懸念されている。

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