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ガザ地区の不発弾除去に最大30年=国際NGO

国連の統計によると、過去2年間の紛争で不発弾により少なくとも53人が死亡、数百人が負傷したとされる。
2025年3月17日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部、イスラエル軍の空爆(AP通信)

国際NGO「ヒューマニティー・アンド・インクルージョン(HI)」は23日、パレスチナ・ガザ地区に残された「地表上」の不発弾について、全て除去するのに20~30年かかる可能性があると明らかにした。

国連の統計によると、過去2年間の紛争で不発弾により少なくとも53人が死亡、数百人が負傷したとされる。HIはこれをはるかに上回る市民が死傷したと推定している。

トランプ政権が仲介した和平計画が実現すれば、膨大な瓦礫の中に残された地雷や不発弾を除去する作業も並行して進められることになるだろう。

HIは声明で、「全て除去することは不可能」と指摘。「地下に埋もれたものは建設工事などでその都度発見されることになるだろう」と述べた。

またHIは「目に見える範囲であれば一世代、20~30年程度で全て除去できる可能性がある」とした。

HIは障害者や紛争・災害の被害を受けた人々など、社会的に弱い立場に置かれた人々の人権と尊厳を守ることを目的とする国際的な非政府組織である。

1982年にフランスで設立され、当初はカンボジア難民キャンプで地雷によって障害を負った人々への支援から活動を始めた。

以来、地雷除去や義肢・補装具の提供、リハビリテーション支援などを通じて、多くの国で人道的支援を展開してきた。

現在では、障害者の社会参加の促進、教育や雇用へのアクセス改善、災害時における包摂的な支援体制の構築など、多様な分野で活動している。

HIは2018年まで「ハンディキャップ・インターナショナル(Handicap International)」という名称で知られていたが、障害を固定的に捉えないために現在の名称へと変更した。

その理念は「すべての人が尊厳をもって生きられる社会をつくる」ことであり、人道主義とインクルージョン(包摂)の実現を目指している。

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