シリア南部でドルーズ派と遊牧民ベドウィンが衝突、37人死亡
戦闘は13日に発生。アラブ遊牧民ベドウィンと地元の治安部隊が衝突し、銃撃戦に発展した。
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シリア南部スワイダのドルーズ派が多数派を占める地区で発生した戦闘について、地元当局は14日、少なくとも37人が死亡し、約100人負傷したと明らかにした。
戦闘は13日に発生。アラブ遊牧民ベドウィンと地元の治安部隊が衝突し、銃撃戦に発展した。
イギリスのNGOシリア人権監視団はスワイダとその周辺の地区での戦闘により子供2人を含む少なくとも37人が死亡したと報告した。
それによると、暫定政府の治安部隊が現場に到着し、検問所を設置したという。
シリア人権監視団は「両グループ間の誘拐事件が衝突のきっかけとなり、ベドウィンのメンバーが検問所を設置し、若いドルーズの男性を襲った後、銃撃戦になり、砲弾も飛び交った」と説明した。
スワイダでドルーズ派を巻き込む暴力が発生したのは数カ月ぶり。
ドルーズ派はイスラム教シーア派の分派のひとつ。世界の約100万人のドルーズ派の半数以上がシリアに住んでいる。
他のドルーズ派のほとんどは1967年の第三次中東戦争でイスラエルがシリアから奪取し、1981年に併合したゴラン高原を含むイスラエルに住んでいる。
シリア人権監視団は今回の衝突について、ドルーズ派の野菜販売業者の誘拐と強盗から始まり、報復攻撃と誘拐が相次いだ結果と述べた。
暫定政府は秩序の回復を試みるため、同地域に人員を派遣している。
シリアでは4月と5月にドルーズ派を巻き込む衝突やテロが相次ぎ、数十人が死亡した。
暫定政府は少数民族、特に北東部のクルド人や南部のドルーズ派との政治的和解を達成するのに苦労している。