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ガザとイスラエルで歓喜の渦、ガザ停戦計画に拍手喝采

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は9日午後の時点で8万1416人(行方不明者含む)、負傷者は16万9890人となっている。
2025年10月9日/イスラエル、テルアビブ、ネタニヤフ政権がガザ停戦を閣議決定したことを祝う人々(AP通信)

イスラエルとパレスチナ・ガザ地区で9日、多くの市民が街頭に繰り出し、イスラエル政府がガザ停戦計画を閣議決定にしたことを祝った。

イスラエルとイスラム組織ハマスは8日、トランプ(Donald Trump)米大統領のガザ和平計画の第1段階となる停戦と人質解放で合意。これにより、イスラエルはガザ地区から部分的に撤退し、ハマスは残りの人質48人全員を解放する。

またハマスは停戦開始から72時間後に、生存している人質20人を全員解放する予定だ。

ネタニヤフ政権は9日の閣議でこの計画を承認した。

イスラエル軍の空爆と地上侵攻で荒廃したガザでは多くの住民が街頭で拍手を送った。

南部ハンユニスでロイター通信の取材に応じた男性は「ガザ全体が、アラブ民族全体が、世界中が停戦と流血の終結を喜んでいる」と語った。

テルアビブでは人質の家族が決定を祝い、トランプ氏を称賛した。

トランプ氏が提案した20項目が完全に履行されれば、ガザ紛争は終結するだろう。

しかし、最大の懸案事項である「ハマスはガザ地区の統治に今後一切関与しない」「武装解除」という2つの項目がどうなるかは不明のままだ。

ハマスはガザの統治に今後一切関与しないという提案に難色を示し、武装解除については今のところコメントしていない。

トランプ氏は9日、ガザで拘束されている人質が13日または14日に解放されるという見通しを示した。

またトランプ氏はそれに先立ち、12日中に中東に向けて出発すると発表。エジプトで行われるガザ停戦合意の調印式に出席するほか、イスラエル議会で演説する意向を示した。

ハマスはイスラエルが人質を取り戻し次第、合意を破って攻撃を再開するのではないかと懸念している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は9日午後の時点で8万1416人(行方不明者含む)、負傷者は16万9890人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万4000~1万5000人と推定されている。

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