◎ゴーン容疑者は日本とフランスで指名手配されている。
元自動車王のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)容疑者が23日、AP通信の取材に応じ、日産自動車とその幹部を相手取って起こした10億ドルの訴訟は妥当という考えを示した。
日産自動車の元CEOはレバノンの首都ベイルートでAPのインタビューに応じ、「もし自分が米国市民で、米国で訴訟を起こしていたら、10億ドルどころか、それ以上を要求していただろう」と語った。
ゴーン容疑者は20年にわたって日産を率い、倒産寸前だった同社を窮地から救ったが、2018年11月に金融商品取引法違反で逮捕され、翌年12月に日本を脱出、レバノンに逃亡した。
ゴーン容疑者は日本とフランスで指名手配されている。
レバノン当局は両国の逮捕状および国際刑事警察機構(ICPO)の国際逮捕手配書レッド・ノーティスを受け取っている。
フランスはゴーン容疑者をルノー・日産の指揮を執っていた際の脱税、マネーロンダリング(資金洗浄)、詐欺、会社資産の不正使用疑惑などで告発している。
レバノンは日本と犯罪人引き渡し条約を結んでおらず、自国民の身柄引き渡しも行っていない。
ゴーン容疑者はフランス、ブラジル、レバノンの国籍を持っている。
ゴーン容疑者の対日産裁判(ベイルート地裁)は9月18日から始まる予定だ。
ゴーン容疑者はAPに、「合法的な方法で経営陣を交代させることができない日産のクーデターとそれを合法とする日本の法制度を許してはならない」と語った。「彼らは経営陣を排除し、新しい経営陣を確立するために法制度を乱用しています...」
またゴーン容疑者は「勝算があろうとなかろうと、日産に挑戦するしかなかった」と語った。
さらにゴーン容疑者は日本よりレバノンの司法制度を信じていると強調した。「レバノンでは自分の身は自分で守れます。日本の法制度を経験した私は、これからもそれを批判し続けます。とんでもない司法制度です...」
東京地検特捜部はゴーン容疑者の逃亡を手助けしたとされる米国人親子を逮捕・起訴している。