イラン中部でバス事故、13人死亡、10数人負傷
バスは高速道路上で中央分離帯に衝突した後、反対車線に飛び出し、タクシーと衝突、その後横転したという。
.jpg)
イラン中部イスファハン近郊の高速道路でバスが横転し、少なくとも13人が死亡、10数人が負傷した。国営イラン通信(IRNA)が16日に報じた。
それによると、事故は15日深夜に発生。死亡したのはバスの乗客11人と、衝突したタクシーに乗っていた2人。負傷者は男女合わせて10数人にのぼり、病院に搬送された。
バスはイスファハンを出発して東部マシュハドへ向かっていた。
報道によると、バスは高速道路上で中央分離帯に衝突した後、反対車線に飛び出し、タクシーと衝突、その後横転したという。
警察当局は運転手の操作ミスや速度超過、居眠り運転など複数の可能性を含めて原因究明を進める方針を示している。
事故現場には救助隊が急行し、負傷者の救助と搬送にあたった。医療関係者によると、重傷者も含まれており、一部は集中治療が必要な状態だという。
イランは交通安全の指標が世界的に見て極めて悪い国のひとつとされており、年間の交通事故による死者数は2万人に上るとされる。この高い犠牲者数は交通法規の遵守率の低さ、老朽化した車両の多さ、地方の医療体制の欠如などが原因として指摘されている。今回の事故もこうした背景が垣間見える例として専門家らの間で議論を呼んでいる。
地元住民や被害者の家族からは怒りと悲しみの声が上がっている。ある遺族は「夜遅くに家族と連絡が取れなくなり、不安でいっぱいだった。ニュースを聞いた瞬間、言葉を失った」と話した。また、負傷者の1人は「突然バスが大きく揺れ、多くの人が叫び声を上げた。救急車が来るまでの時間がとても長く感じられた」と状況を語った。
中央政府はこの事故を受け、交通安全キャンペーンの強化や道路インフラの改善を進めると表明した。専門家は「交通事故による悲劇を減らすには、法規制の徹底や運転者教育、車両の安全基準引き上げが不可欠だ」と指摘している。
