シリア南部抗争、少なくとも321人死亡=人権監視団
スウェイダでは先週末、ベドウィンと地元の治安部隊が衝突し、銃撃戦に発展。子供を含む多くの一般人が巻き込まれた。
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イギリスのNGOシリア人権監視団は18日、南部スウェイダ県で起きたドルーズ派とアラブ遊牧民ベドウィンの衝突について、これまでに321人の死亡を確認したと明らかにした。
スウェイダでは先週末、ベドウィンと地元の治安部隊が衝突し、銃撃戦に発展。子供を含む多くの一般人が巻き込まれた。
スウェイダでドルーズ派を巻き込む暴力が発生したのは数カ月ぶり。
ドルーズ派はイスラム教シーア派の分派のひとつ。世界の約100万人のドルーズ派の半数以上がシリアに住んでいる。
他のドルーズ派のほとんどは1967年の第三次中東戦争でイスラエルがシリアから奪取し、1981年に併合したゴラン高原を含むイスラエルに住んでいる。
シリアでは4月と5月にもドルーズ派を巻き込む衝突やテロが相次ぎ、数十人が死亡した。
シリア人権監視団によると、一連の衝突により、子供や女性を含む321人が死亡。処刑された人もいたという。
暫定政府は87人の遺体を収容したと報告している。
被害の全容は明らかになっていない。
SNSにはベドウィンの武装勢力とみられる男たちがドルーズ派の一般市民を処刑する動画がいくつも投稿されている。
イスラエル国防軍(IDF)は16日、シリア・ダマスカスの国防省や軍本部を空爆。暫定政府がドルーズ派の保護を怠っていると主張した。
暫定政府はベドウィンを抑え込むためにこの地域に正規軍を投入した。
暫定政府は少数民族、特に北東部のクルド人や南部のドルーズ派との政治的和解を達成するのに苦労している。