◎停戦は27日の現地時間午前4時に発効する。
米政府がイスラエルとヒズボラの停戦を発表した後も、レバノン南部と首都ベイルートへの空爆は続き、30人以上が死亡、100人以上が負傷し、行方不明者の捜索が続いている。レバノン当局が26日、明らかにした。
バイデン(Joe Biden)米大統領は26日のテレビ演説で、双方が停戦を受け入れたと明らかにした。
それによると、停戦は27日の現地時間午前4時に発効する。ガザ紛争は蚊帳の外に置かれた。
イスラエル軍は2カ月近くに渡ってガザ北部を包囲し、イスラム組織ハマスの武器庫や施設を空爆。多くの住宅や難民キャンプが瓦礫の山となり、各地で行方不明者の捜索が続いている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はガザ地区が「冬の雨季」に入り、45万~50万人が洪水や雪による凍傷などのリスクに直面していると警告。紛争の即時終結を訴えていた。
バイデン氏はレバノン停戦の交渉に当たった担当者らに謝意を示し、「イスラエルとレバノンの市民のための永続的な安全保障を確立することが重要である」と強調した。
またバイデン氏は「イスラエルとレバノンの国境を越えた戦闘は終結する。これは恒久的な敵対行為の停止となるよう設計されている」と述べた。
国営レバノン通信によると、ミカティ(Najib Mikati)首相はバイデン氏と電話で話し、停戦を歓迎したという。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と閣僚も米国の案を承認した。
イスラエル首相府は声明で、「ネタニヤフ首相はバイデン大統領との電話会談で停戦を承認することを伝え、その内容を高く評価すると伝えた」と明らかにした。
停戦合意の一環として、イスラエルは今後60日間、レバノン南部から軍を「徐々に撤退」させるとしている。
バイデン氏は演説の中で、「レバノン南部におけるヒズボラのテロ基盤の再建は許されない」と強調した。
またバイデン氏は「双方の市民は間もなく安全に地域社会に戻り、家、学校、農場、事業、そして生活そのものを再建し始めることができる」と述べた。
レバノン侵攻におけるレバノン側の死者は26日午前の時点で3768人、負傷者は1万5699人となっている。