◎25日の生誕祭には数万人の観光客が参加する見通し。
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のベツレヘムで24日、イエス・キリストの生誕を祝うイベントが行われた。
自治政府によると、25日の生誕祭には数万人の観光客が参加する見通しだという。
コロナの感染拡大でこの2年はイベントの規模を抑えていたが、今年は3年ぶりに賑わかな通りとイベントが戻ってきたようだ。
パレスチナのキリスト教徒と巡礼者たちはキリストが生まれたとされる降誕教会でミサに参加する。
バブパイプなどを演奏するマーチングバンドがエルサレムから降誕教会までパレードし、イベントを盛り上げた。
教会内にある洞窟は最も古いキリスト教の礼拝の場である。
報道によると、世界各地からベツレヘムに観光客が集まっているという。
パレスチナ観光省によると、観光客の数は2019年に比べるとはるかに少ないが、地元のホテルはほぼ満室状態だという。
サンタのコスチュームを着た男たちは楽観的だったが、地元当局はパレスチナとイスラエルの間で続く暴力や、極右の次期イスラエル政権が観光地の緊張も高めるのではないかと懸念している。
新政権はイスラエル史上最も右寄りとされ、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)氏がまもなく6期目をスタートさせる予定だ。
イスラエル軍は今月初め、ヨルダン川西岸で武装勢力との銃撃戦の際、意図せず16歳のパレスチナ人少女を殺害したと認めた。
パレスチナ当局によると、西岸地区では先月、パレスチナ人男性5人がイスラエル軍または警察に殺害されたという。
一方、インドからベツレヘムを訪れた一行はAFP通信の取材に対し、「ここに来ることが夢だった」と語った。「ベツレヘムはキリスト教徒にとって特別な場所であり、来ることができて幸せです」
ベツレヘムの観光客数は2019年に記録を更新し、2020年はもっと良くなると期待が高まっていたが、コロナの影響で西岸地区全体が封鎖され、その希望は打ち砕かれた。
コロナ封鎖中、市民は19時~翌6時まで外出を禁じられ、金土日は終日、屋内にとどまるよう求められた。
パレスチナ観光省によると、ベツレヘムの経済は観光に大きく依存しているという。昨年のクリスマス観光はオミクロン株の影響で大打撃を受け、多くのホテルが廃業に追い込まれた。