◎イスラエル政府は長年、福音派の政治的・財政的支援を歓迎し、「何かしらの意図が隠されているのではないか」という懸念に興味を示していなかった。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は22日、連立を組む政党が提出したキリスト教の布教活動を禁じる法案に反対を表明した。
この法案はイスラエルの最も強力な支持団体である米国の福音派を騒然とさせた。
ネタニヤフ氏の与党・リクードと連立を組む超国家主義政党の議員2人は今年1月にこの法案を提出した。それによると、キリスト教への改宗を勧誘した場合は懲役1年以下、未成年に改宗を勧めた場合は懲役2年以下の実刑に処される可能性がある。
法案には「最近、キリスト教を中心とする宣教師集団による改宗勧誘の企てが増加している」と書かれている。
この法案は一度も審議されていなかったが、今週、福音派のニュースサイトが報じたことで、米国の福音派の間でも広く知られることとなった。
ネタニヤフ氏は22日、ツイッターにこう書き込んだ。「私はキリスト教に関連する法案を認めず、審議しない」
米国の福音派はイスラエルを聖書の「予言の成就」と見なし、イエス・キリストの再臨と終末の前触れと見る人もいるため、イスラエル政府の強力な支持団体のひとつとなっていた。
イスラエル政府は長年、福音派の政治的・財政的支援を歓迎し、「何かしらの意図が隠されているのではないか」という懸念に興味を示していなかった。
専門家によると、多くのユダヤ教徒は自分たちをキリスト教に改宗させようとする試みを数百年に渡るキリスト教支配者による迫害と強制改宗の遺産として、不快に思っているようだ。
そのため、福音派がユダヤ教徒に改宗を求めることはほとんどないという。