イラン暴動、死者5000人超える、2万4000人逮捕
抗議デモは当初、経済状況の悪化や生活費の高騰に対する不満から始まったが、次第にイスラム指導部による政治体制への批判へと拡大し、自由や改革を求める大規模な抗議運動に発展した。
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イラン国内で昨年末から続いている大規模な抗議デモと治安部隊による弾圧をめぐり、イラン当局は1月18日までに、死者が少なくとも5000人に達したと明らかにした。このうち約500人は治安部隊の関係者とされる。
ロイター通信はイラン当局者の話しとして、「これまでに5000人以上の死亡が確認された」と報じ、死者の多くについて「テロリストや武装した暴徒」による「無辜(むこ)のイラン国民殺害」が関与しているとの政府側の立場を示した。特に北西部のクルド地域で激しい衝突があり、多くの死者が出ているという。クルド地域は過去の抗議でも激しい衝突が頻発している地域であり、今回も反政府活動が集中しているとされる。
一方、イラン当局による死者数の公式発表とは別に、米国拠点の人権団体HRANAは3308人の死者を確認し、さらに4382件について審査中だと報告している。また同団体は、抗議に関連して2万4000人以上が逮捕されたと明らかにした。これらの数値はイラン側の発表とは大きく異なり、正確な死者数の把握は困難な状況が続いている。
抗議デモは当初、経済状況の悪化や生活費の高騰に対する不満から始まったが、次第にイスラム指導部による政治体制への批判へと拡大し、自由や改革を求める大規模な抗議運動に発展した。全国31州に広がったデモは数週間にわたり続き、治安部隊と衝突する場面も各地で見られた。抗議活動の最中に治安当局が実弾を使用したとの報告や映像も複数のメディアで確認されており、市民側から多くの死傷者が出ているとされる。
このような混乱の中で、司法当局は抗議参加者に対して厳しい処罰を示唆している。司法省は抗議活動への参加を「モハレブ(神に敵対する者)」と見なす可能性があると述べ、この罪はイスラム法に基づき死刑が適用されうると説明した。政府は詳細な執行計画について明言していないものの、司法側は「適切な対応をとる」との姿勢を見せている。
国際的には、トランプ(Donald Trump)米大統領がイラン情勢に関して厳しい姿勢を示し、抗議者が殺害され続けたり処刑されたりする場合には介入する可能性を示唆している。トランプ氏は、イラン指導部に対して新たなリーダーシップの必要性を訴える発言も行っている。
なお、イラン政府は抗議の主導や暴力の背後に米国やイスラエルが関与しているとの主張を繰り返しているが、独立した情報の制約とインターネット遮断により、国外からの正確な実勢把握は依然として難しい状況にある。
