◎正規軍とロシアはホムスを防衛すべく、反体制派を空爆しているようだ。
2024年12月4日/シリア、北部アレッポ県郊外(AP通信)

シリアの反体制派が首都ダマスカスを包囲し始めている。現地メディアが7日に報じた。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、正規軍は南部地域の大部分から撤退し、反体制派の攻勢に備えるべく、ダマスカスの防御を固めているという。

しかし、国防省はこの報道を否定した。

イスラム過激派組織「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」とその同盟組織は先月、アサド政権の支配下にある北部アレッポ県に攻め込み、全土を制圧。正規軍への攻撃を本格化させた。

HTSはその後、中部の要衝ハマに侵攻。正規軍はハマから撤退したことを認めた。

ハマはシリア第4の都市。南は首都ダマスカス、北は第2の都市アレッポに挟まれている。

HTSらは6日未明、第3の都市ホムス郊外に到達。戦闘が続いているものとみられる。

正規軍とロシアはホムスを防衛すべく、反体制派を空爆しているようだ。アルジャジーラによると、ホムスへの7日の空爆で少なくとも7人が死亡したという。

アサド(Bashar Assad)大統領はアレッポやハマなどの主要都市を失い、窮地に立たされている。

アルジャジーラは関係者の話しとして、「アサド氏は7日午前の時点でダマスカスにとどまっている」と報じた。

一方、HTSの最高司令官は7日の声明で、「兵士たちはダマスカスとホムスの端におり、政府の崩壊は近い」と主張した。

「我々はダマスカスとホムスの端に到達した。政権崩壊は目前に迫っている...」

「諸君。諸君が立ち入る都市や村々で一般市民に接するときは慈悲深く、やさしくするよう、改めて呼びかける...」

司令官は正規軍の兵士に対し、「武器を置き降伏すれば恩赦を与える」と約束した。

反体制派はアサド政権の同盟国であるロシアとイランが別の戦争に気を取られているスキを突き、アレッポとハマをあっさり手中に収めた。

アサド氏を支援してきたレバノンの過激派ヒズボラもイスラエルとの戦争で弱体化している。

シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

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