アルメニア首相がトルコ訪問へ、関係正常化目指す

両国は第1次世界大戦中にオスマン帝国軍がアルメニア人を大量虐殺して以来、何度となく敵対し、外交関係を結んでいない。
アルメニアのパシニャン首相(左)とトルコのエルドアン大統領(Getty Images)

アルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相が20日にトルコを訪問し、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と会談する予定だ。

パシニャン氏は18日の声明で、「エルドアン大統領と会談するために、週末にトルコを訪問する」と明らかにした。

両国は第1次世界大戦中にオスマン帝国軍がアルメニア人を大量虐殺して以来、何度となく敵対し、外交関係を結んでいない。

トルコはアルメニアの宿敵であるアゼルバイジャンを積極的に支援してきた。

アルメニアの国営メディアは17日、パシニャン氏がトルコを訪問すると報じた。

アルメニア議会のシモニャン(Alen Simonyan)議長は17日、この訪問を「歴史的」と称賛し、「アゼルバイジャンとの新たな紛争のリスクを排除することを目的のひとつとしている」と述べた。

アゼル政府は23年9月、アルメニアの工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、係争地ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル軍の集中砲火を受けたナゴルノカラバフの反政府勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。

ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

アゼル軍の勝利により、30年にわたるアルメニア人の支配に終止符が打たれ、市民約12万人がナゴルノカラバフからアルメニアに逃れた。

パシニャン氏はこの敗北以来、トルコとの関係正常化を強く推進してきた。

トルコはナゴルノカラバフをめぐる紛争でアゼルを積極的に支援してきた。

トルコ人とアゼル人はチュルク語系民族であり、強い絆で結ばれている。

アゼルのアリエフ(Ilham Aliyev)大統領は19日にトルコを訪問し、エルドアン氏と会談する予定だ。

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