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▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午前の時点で5万3272人、負傷者は12万673人となっている。
2025年5月17日/イラク、首都バグダッド、アラブ連盟サミットに出席した首脳ら(ロイター通信)

アラブ連盟(Arab League)は17日、ガザ紛争の即時終結を改めて強く呼びかけ、イスラエル政府を厳しく非難した。

連盟の首脳らはイラクの首都バグダッドで会合を開き、パレスチナ問題などについて協議した。

ガザ交渉を主導しているエジプトのシシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は声明で、「イスラエルの行動はパレスチナ人を抹殺、消滅させ、ガザ地区におけるパレスチナ人の存在を終わらせることを目的とした戦争犯罪である」と糾弾した。

サミットを主催したイラクのスダニ(Mohammed al-Sudani)首相もイスラエルを非難。「ガザ地区での一連の行為はジェノサイド(集団殺害)である」と述べた。

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長「パレスチナ人に対する集団的懲罰を正当化するものは何もない」と述べた。

イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。

この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は未曽有の大飢饉が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう何度も呼びかけてきた。

16日に中東歴訪を終えたトランプ(Donald Trump)米大統領はガザが危機的状況にあることを認識したうえで、米国主導の食糧支援を急ぐとしている。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は今月初めの閣議でガザ地区での軍事作戦を拡大する計画を承認。計画にはガザの「征服」および住民の強制移住が含まれている。

イスラエルはガザ全土を占領したうえで、市民をガザ南部に強制移住させ、民間警備会社とともに援助物資を配給・管理するとしている。

ネタニヤフ政権はこの計画に先立ち、数万人の予備兵を招集中だ。ネタニヤフ氏はトランプ氏の中東歴訪が終わり次第、この計画を実行に移すと主張している。

トランプ氏は「5月末までにはガザでの物資配給を開始できる」という見方を示している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午前の時点で5万3272人、負傷者は12万673人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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