◎2021年の執行数は18カ国で579人。昨年は20カ国で883人が死刑に処された。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは16日、昨年の世界の死刑執行数が2021年比で53%増加したと発表した。
それによると、イランとサウジの増加が顕著で、アジアではインドネシアが最も多かったという。
中東とアフリカにおける死刑執行の約70%がイランで行われ、その数は2021年の314人から576人(83%増)に急増した。
サウジの執行数は2021年の65件から3倍増の196件となった。
クウェート、ミャンマー、パレスチナ自治区、シンガポール、米国でも2021年と比較して顕著な増加が報告された。
2021年の執行数は18カ国で579人。昨年は20カ国で883人が死刑に処された。
アムネスティはレポートの中で、「中国、北朝鮮、ベトナムを含むいくつかの国は正確な数を報告していない」と批判した。
またアムネスティは昨年インドネシアで新たに下された死刑判決112件の94%が麻薬関連であると指摘した。
バングラデシュでは少なくとも169人が死刑を宣告され。アジア太平洋地域で最も多かった。インドの165人、パキスタンの127人がそれに続く。
インドネシアはテロ、殺人、麻薬取引などに死刑を適用。銃殺刑で執行している。最後の死刑執行は2016年7月。
インドネシアには現在、450人以上の死刑囚がおり、うち麻薬関連が約6割を占め、88人が外国人だ。
レポートによると、中国、イラン、サウジ、シンガポールは昨年、麻薬関連犯罪で少なくとも325人を死刑に処し、その数は2021年から2倍以上になった。
昨年死刑を廃止した国は112カ国。マレーシア国会は先月、刑法改革の一環として、死刑の対象となる罪状を見直す法案を可決した。