米軍とシリア軍がISISの武器貯蔵施設を空爆=CENTCOM
作戦は11月24日から27日にかけて行われ、迫撃砲やロケット弾130発以上、アサルトライフル、機関銃、対戦車地雷に加え、即席爆発装置(IED)製造に使用される資材など、多種多様な武器や弾薬を破壊した。
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米中央軍(CENTCOM)は11月30日、同軍およびシリアの部隊が、シリア南部にあるイスラム国(ISIS)の武器貯蔵施設を標的とする空爆および地上での爆破作戦を実施し、計15か所を破壊したと発表した。
それによると、作戦は11月24日から27日にかけて行われ、迫撃砲やロケット弾130発以上、アサルトライフル、機関銃、対戦車地雷に加え、即席爆発装置(IED)製造に使用される資材など、多種多様な武器や弾薬を破壊したという。
CENTCOMは声明の中で、「この作戦はISISの能力を削ぎ、将来的なテロや攻撃の脅威を未然に断つことを目的としたものだ」と説明した。
背景には、かつてISISがシリアとイラクの広範な地域を支配し、過激なイスラム主義統治を敷いたものの、米主導の有志連合などによる掃討作戦で支配領域は縮小したという歴史がある。しかしその後もISISは地下に潜伏し、武器隠匿や細かな襲撃を繰り返すなど、完全な消滅には至っていない。
今回のような武器庫の破壊はISISが再建・復活するリスクを抑えるための重要な対策だ。特にIEDやロケット弾などは政権側だけでなく、民間人に対する脅威にもなり得るため、地域の治安と安定確保の観点からも大きな意味を持つ。
ただし、過去の作戦でも、武器庫の破壊はあっても、過激派の根絶にはいたらず、断続的なテロや武装勢力の活動が継続してきた。こうした中で、今回の15か所の破壊がどこまで長期的な安定に寄与するかは、今後の情勢次第だ。
また、今回の作戦は暫定政権と米軍の協力による点も注目される。内戦や複雑な勢力図が続くシリア国内で、外部勢力も含めたこうした合同作戦が実施されたことは、ISISに対する圧力強化とみられる。一方で、他の武装集団や地域勢力との軋轢、さらなる報復の可能性など、緊張の拡大につながる懸念も残る。
