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イラク西部の親イラン系組織拠点に空爆、6人死亡、15人負傷


攻撃を受けたのはシリア国境に近いアンバル県西部の拠点で、PMFの戦闘員が駐留していた施設とみられる。
イラク、イスラム教シーア派武装勢力の連合体「人民動員隊」の構成員(AP通信)

イラク西部アンバル県で23日夜から24日未明にかけ、親イラン系のシーア派武装勢力の連合体「人民動員隊(PMF)」の拠点が空爆を受け、少なくとも6人が死亡、15人が負傷した。ロイター通信が治安当局者の話しとして報じた。

それによると、死亡者の中には、同県におけるPMFの司令官が含まれ、現地の指揮系統に大きな打撃を与えた可能性がある。負傷者の中に幹部が含まれているとの報道もあり、様々な情報が錯綜している。

攻撃を受けたのはシリア国境に近いアンバル県西部の拠点で、PMFの戦闘員が駐留していた施設とみられる。空爆の実施主体については明らかにされておらず、イラク政府や関係各国からの正式な発表も出ていない。

PMFは過激派組織「イスラム国(ISIS)」掃討戦で重要な役割を果たしてきたが、その多くはイランの支援を受ける武装組織で構成されている。このため、近年イラク国内ではPMF関連施設を標的とした攻撃が相次いでおり、地域の緊張を高める要因となっている。

2026年に入ってからもPMFを巡る攻撃が頻発している。3月中旬には首都バグダッドの関連施設が攻撃を受け戦闘員が死亡したほか、北部や西部でも空爆による死傷者が報告されている。

今回の空爆も、こうした一連の衝突の延長線上に位置づけられる。特にイランと米国、イスラエルを軸とする対立が中東全域で激化する中、イラクは各勢力の影響が交錯する場となっており、民兵組織や外国軍を巻き込んだ攻撃の応酬が続いている。

現時点で空爆に関する声明は出ておらず、攻撃の背景や狙いは不明である。しかし、アンバル県はシリアと接する戦略的要衝で、武装勢力や補給路の拠点として重要視されてきた地域であることから、今回の攻撃が地域の軍事バランスに影響を与える可能性もある。

イラク政府はこれまで、国内の主権維持と治安安定の両立に苦慮してきた。PMFは正式に国家の治安機構に組み込まれている一方で、独自の指揮系統や対外関係を持つ勢力も多い。こうした複雑な構造が、外部勢力による攻撃や報復の連鎖を招く一因となっている。

今回の空爆を受け、今後さらなる報復や緊張の拡大が懸念される。中東情勢が不安定化する中、イラク国内の安全保障環境も不透明さを増している。

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