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主要航空各社、イラン情勢の緊迫化で便の経路変更・欠航を実施

航空各社は安全最優先の原則を強調しており、今後情勢がさらに悪化すれば、追加の運休やルート変更が起こる可能性もあるとしている。
2017年3月16日/ドイツ、ミュンヘン、航空最大手ルフトハンザの客室乗務員(Matthias Schrader/AP通信)

イランと米国の間で緊張が高まる中、航空各社が中東地域を通過する便の運航ルート変更や一部欠航を相次いで発表している。トランプ(Donald Trump)大統領は今週、米国の「艦隊」がイランに向かっていると述べ、軍事的圧力を強めた。これを受け、イラン政府は「いかなる攻撃も全面戦争とみなす」と警告、地域の安全保障環境が一段と不安定化している。こうしたなか、EUの航空当局は航空会社に対してイラン領空の通過を避けるよう勧告した。

オランダの航空会社KLMは情勢を踏まえて当面の間、中東の広範囲な空域を避ける運航方針を打ち出した。これにより、イラン、イラク、イスラエル及び湾岸諸国の上空を通る便の運航を停止し、ドバイ、リヤド、テルアビブなどへの直行便を欠航するとしている。同社は安全確保を最優先するための措置であり、運航再開時期は未定としている。

フランスのエールフランスは一時的にドバイ便を運休していたが、1月24日に運航を再開した。同社は中東の情勢をリアルタイムで注視し、安全性や地域情勢の変化を踏まえて柔軟に対応する意向を示している。

また、ドイツのルフトハンザはイラン及びイラクの上空を迂回する運航体制を継続、テルアビブやアンマンへの便については昼間のみ運航する措置を1月中旬に講じていた。この措置により、一部便の欠航や運航調整が避けられない状況となっている。

イギリスのブリティッシュ・エアウェイズはバーレーン便を一時的に運休したが、同社のウェブサイトによると、1月24日時点で同路線の運航は再開されている。運航再開後も、今後の地域情勢を注視しつつ柔軟な対応を続ける方針であると説明している。

フィンランドのフィンエアーはイラクの空域通過を停止し、ドーハやドバイへの便をサウジアラビア上空を経由するルートに変更した。これまで同社は安全上の理由からイラン、シリア、イスラエルの空域通過を避け、今回の運航ルート見直しもその延長線上にあるという。

格安航空のウィズエアー(ハンガリー)もイラン及びイラクの上空を避ける措置を取っている。これにより、一部のドバイやアブダビ発の西向き便はキプロスやギリシャの都市で燃料補給や乗務員交代のための立ち寄りを余儀なくされ、所要時間が延びる影響も出ている。航空専門家は迂回運航が燃料消費増や運航コスト上昇を招き、長期化すれば運賃への影響が出る可能性があると指摘している。

一方、利用者に対しては出発前に最新の運航情報を確認するよう呼びかけられている。航空各社は安全最優先の原則を強調しており、今後情勢がさらに悪化すれば、追加の運休やルート変更が起こる可能性もあるとしている。

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