アフガニスタン東部で公開処刑、遺族が「銃殺刑」執行
銃殺刑に処されたのは今年ある一家13人を殺害した罪で死刑判決を受けていた男。犠牲者には子ども数人も含まれていたという。
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アフガニスタンのタリバン暫定政権は2日、東部ホースト州のスタジアムで公開処刑を実施したと明らかにした。
銃殺刑に処されたのは今年ある一家13人を殺害した罪で死刑判決を受けていた男。犠牲者には子ども数人も含まれていたという。
スタジアムには被害者の遺族を含む数万人の市民が集まり、男は公開の場で射殺された。
公式声明によると、この死刑は地元裁判所と控訴審、最高裁判所を通じて確定し、最高指導者アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師の承認を経たものであった。死刑方法は「被害者の親族による銃殺」であった。
最高裁はあらかじめ、遺族に対して「赦し」または「報復」のどちらを選ぶかを提示したが、遺族側は報復を選び、執行された。
タリバン政権は2021年の政権奪取以降、公開処刑や鞭打ち、手足の切断などの厳罰を復活させており、今回の処刑は政権掌握後11件目の公開処刑となる。こうした刑罰は、同政権が独自に解釈するシャリア(イスラム法)に基づく措置である。
一方で、国連は処刑の「差し迫った実施」の報告を受け、実施の中止を呼びかけた。また国連は「公開処刑は非人道的であり、残酷かつ異常な刑罰であり、国際法に反する」と批判する声明を出していた。
今回の処刑を通じて、タリバン政権による司法制度の運用は国際社会が長年問題視してきた基本的人権や法の下の適正手続き(デュープロセス)を無視した形で継続されているとの批判が強まっている。公開処刑が再び常態的に行われる現状は、アフガンの治安と人権の状況に深刻な懸念を投げかけている。
