◎国連を含む国際機関やNGOがこの禁止令に怒りと懸念を表明している。
2021年9月12日/アフガニスタン、首都カブールの美容院(Bernat Armangue/AP通信)

アフガニスタンを統治するタリバンが25日、全国の美容院に閉鎖を命じた。

タリバンは今月初め、全国の美容院に1カ月以内に店を閉めるよう命じていた。

勧善懲悪省の報道官はSNSに声明を投稿。「従わないサロンは取り締まりの対象になる」と示唆したが、武力を行使するかどうかは明言しなかった。

この禁止令はアフガンの女性・少女の基本的人権を侵害する制限のひとつである。同国の女性は教育、公共スペースへの立ち入り、就労を著しく制限されている。

タリバンは以前の声明で、「美容院はイスラム教で禁じられているサービスを提供している」と述べていた。それによると▽眉毛の整形▽地毛を増やすために他人の毛髪を使用▽結婚式前の化粧などはイスラム教手の聖典コーランに反するものだという。

首都カブールでは先週、この禁止令に抗議する集会が開かれ、数十人が参加した。しかし、タリバンの戦闘員はこれを厳しく取り締まり、空に向かってアサルトライフルを乱射し、一部の抗議者にスタンガンを叩きこんだ。

国連を含む国際機関やNGOがこの禁止令に怒りと懸念を表明している。

グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長の報道官は24日、この禁止令を撤回させるために当局と協議していると明らかにした。

また報道官は禁止令撤回を働きかけている国連アフガン支援団(UNAMA)の努力を強く支持すると表明した。

タリバンは国をまともに運営できず、国際機関の人道支援に頼り切っている。

しかし、西側諸国はタリバンが女性の権利を含む基本的人権を保障しない限り、旧政権時代のような支援は提供しないとしている。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は今年、アフガンで生活する市民約2400万人が人道支援を必要とし、そのニーズを満たすためには46億2000万ドルもの資金が必要と報告。国際社会に支援を強化するよう呼びかけていた。

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