◎被害の全容は明らかになっておらず、人道機関やボランティアによる必死の捜索活動が続いている。
国連児童基金(ユニセフ)は12日、アフガニスタン西部ヘラート州で先週発生した地震の犠牲者の9割以上が女性と子供だったと明らかにした。
地震は7日の午前11時頃に発生。震源地はヘラート州の北西約40キロの地点。M6.3、5.9、5.5の強い余震も発生し、被害が拡大した。
タリバン暫定政権はヘラート州全体で2000人以上が死亡したと推定。国連は1294人の死亡を確認したとしている。
被害の全容は明らかになっておらず、人道機関やボランティアによる必死の捜索活動が続いている。
ユニセフのヘラート州現地事務所の責任者はAP通信の取材に対し、「地震が発生した時、ほとんどの女性と子供が家の中にいた」と語った。
国連は女性と子供数百人が瓦礫の下敷きになっている可能性が高いと報告している。
ユニセフのアフガン事務所はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「地震が夜間に起きていれば、男性も犠牲になっていただろう」と書き込んだ。
アフガンで生活する多くの女性が職を失い、就学を禁じられ、男性が出入りする施設に立ち入れなくなった。
タリバンは女性に外出を控え、子供の世話をするようしつこく呼びかけている。
地震が発生した時、多くの男性が仕事のために外出していた。
ユニセフのアフガン事務所はこうツイートしている。「男性は外で働いていた。女性は家で家事をし、子供の世話をしていた。女性と子供が下敷きになった。そこには明らかにジェンダー差別の側面があった...」
最初の地震、その後の余震、そして11日のM6.3の地震により、ヘラート州の複数の集落が壊滅した。国連によると、少なくとも6つの集落の建物がひとつ残らず倒壊したという。
ノルウェー難民評議会はヘラート州の被害状況を「悲劇」と評している。