◎米主要メディアによると、タリバンのアミール・ハーン・ムッタキ外相は20日、国連に宛てた書簡の中で総会への出席を要請したという。
国連の当局者によると、アフガニスタンの武装勢力タリバンは国連総会で演説することを望んでいるという。
8月15日にアフガニスタンの旧政府を追放したタリバンは元アフガン国連大使の資格に異議を唱え、21日に開幕した第76回総会で世界の指導者とのハイレベル協議に参加したいと要請した。
米主要メディアによると、タリバンのアミール・ハーン・ムッタキ外相は20日、国連に宛てた書簡の中で総会への参加を要請したという。
またタリバンは、カタールの首都ドーハを拠点とするモハマド・スハイル・シャヒーン報道官をアフガニスタンの新国連大使に指名した。
国連の報道官によると、タリバンの要請はアメリカ、中国、ロシアを含む9人の委員で構成される資格委員会で検討されるという。しかし、AP通信などの主要メディアは、タリバンが総会のセッションに参加する可能性は低いと報じた。
要請が却下された場合、国連は旧アフガン政府の国連大使グラム・イサクザイ氏を代表として認知し続けることになる。
イサクザイ国連大使は9月27日に演説する予定と伝えられている。しかし、タリバンのムッタキ外相は書簡の中で、「旧政府の大使はもはやアフガニスタンを代表していないおらず、いくつかの国はアシュラフ・ガニー(大統領)を指導者として認めていない」と主張した。
一方、タリバンと旧政府のパイプ役を務めたカタールの首長は21日の総会演説で、「世界の指導者はタリバンと関係を構築すべき」と述べた。
タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長は、「タリバンを仲間外れにすれば二極化と混乱を招くが、対話は実りあるものになる可能性が高い」と述べ、国連総会への参加を認めるだけでなく、アフガニスタンの治安改善に向けた取り組みをサポートするよう世界に呼びかけた。
タリバンは戦争で荒廃した国を再建するために、国際的な認知と財政的支援を望んでいる。しかし、新政府の閣僚の一部は、国連の国際テロリストとテロ資金提供者のブラックリストに登録されており、アントニオ・グテーレス事務総長にジレンマをもたらしている。
AP通信は、「国連の資格委員会はタリバンの認知と引き換えに、アフガニスタンにおける女性の就労と就学の権利を保障するよう要求できる」と報じたが、資格委員会がタリバンに何かしらの要求をするかどうかは明らかにされていない。