◎アフガニスタンのGDPは今年、最大30%縮小する可能性がある。
2021年11月17日/アフガニスタン、首都カブール、世界食糧計画が設置した現金給付所(Getty Images/AFP通信)

11月27日、アフガニスタンを統治するタリバンの暫定首相は、イスラム法に基づく残酷な支配を擁護し、新政府は解体された旧政府の腐敗を修復するために働いていると主張した。

ムハンマド・ハッサン・アフンド暫定首相は国営メディアが放送した録音メッセージの中で、民主的な政府の構築を求める西側諸国を非難し、「タリバンは旧政府の腐敗と過ちを正している」と述べた。

西側諸国は基本的人権と女性の権利を尊重しないタリバンの政治を却下し、援助を断ち切った。米国はアフガン中央銀行が米国内に保有していた資産約95億ドルを凍結し、世界銀行と国際通貨基金(IMF)は融資を停止している。

アフンド暫定首相は進行中の失業と金融危機を米国と旧政府のせいにした。「アフガニスタン人よ、用心しなさい。米国の飼い犬である旧政府は不安を引き起こし、タリバンを悪者にしました。彼らの偽情報に騙されてはいけません...」

またアフンド暫定首相は旧政府の政治を「世界で最も弱いシステム」と呼び、汚職が蔓延していたと非難した。「タリバンは汚職を排除し、国に平和と安定をもたらしました。私たちは問題を解決するために、可能な限り努力しています。私たちは不眠不休で働いています...」

アフンド暫定首相は金融危機を解決し、公務員に給与を支払うための委員会を創設したと明らかにした。

国連世界食糧計画(WFP)は10月末、アフガニスタンで飢餓の危機に直面している人は人口の約60%に相当する2,300万人に達し、その中の5歳未満の児童約300万人は年末までに深刻な急性栄養失調に苦しむと報告した。

国連はアフガニスタンの飢餓を「世界最悪」と呼び、子供を含む2,000万人以上が過去数十年で最悪の飢饉に見舞われていると警告した。

アフンド暫定首相は飢餓の終焉をアラー(イスラム教の唯一神)に祈るよう国民に呼びかけた。「飢餓はアラーに反抗した旧政府と私たちに与えられた試練です...」

西側諸国はタリバン政府の承認を拒否しているが、WFPを含む人道機関は国民に支援を提供している。

1990年代のタリバン政府は女性を公共の場から完全に排除したが、現在の内閣は女性の活動をある程度認める方針を示している。しかし、女性公務員は仕事を失い、女子生徒は自宅待機を余儀なくされている。

アフンド暫定首相は西側の要求を却下し、「新しいアフガニスタン・イスラム首長国は女性の尊厳を守った」と主張した。

IMFによると、アフガニスタンのGDPは今年、最大30%縮小する可能性があるという。対外援助はアフガニスタンのGDPの約45%、年度予算の約75%を占めていた。

また国連開発計画によると、貧困ライン以下で生活している人の割合は、来年半ばまでに人口の約97%に達する見込みだという。

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