◎タリバンは8日、北部クンドゥズ州の州都クンドゥズ、北部サレ・ポル州の州都サレ・ポル、北東部タハール州の州都ターロカーンを支配下に置いた。
アフガニスタンの現地メディアによると、タリバンは北部の重要拠点のひとつと見なされているクンドゥズ州の州都を含む3つの主要都市を新たに占領したという。
タリバンは8日、北部クンドゥズ州の州都クンドゥズ、北部サレ・ポル州の州都サレ・ポル、北東部タハール州の州都ターロカーンを支配下に置いた。
タリバンは全土で攻勢を強めており、6日以降に占領した主要都市はこれで5つになった。陥落した州都は4つ目。クンドゥズは首都カブールを含む周辺地域の玄関口と見なされている。
米軍とNATO軍は9月11日までに完全撤退を終える予定。
クンドゥズの住民はAP通信の取材に対し、「タリバンと政府軍の戦闘に巻き込まれ、困惑しています」と語った。「町は混乱しています。何が起こったのですか?...」
一方、アフガニスタン政府は8日の声明で、「タリバンに奪われた主要な施設を取り戻すために戦っている」と述べた。
西部ヘラート州の州都ヘラート、南西部ヘルマンド州の州都ラシュカルガー、南部カンダハール州の州都カンダハールでも激しい戦闘が続いており、アフガン軍と米軍の航空部隊はラシュカルガーのタリバン兵を空爆した。
現地メディアによると、タリバンの侵攻に直面した地域の住民数千人が避難を呼びなくされ、北東部の都市アサダーバードの学校には多くの子供が身を寄せているという。
子供と一緒に学校に避難した女性はAFP通信の取材に対し、「私の村はタリバンの爆弾攻撃を受け、焼き払われた」と語った。「私たちは今着ている服以外、何も持っていません。子供たちは地面で寝ています」
別の避難民は戦闘に巻き込まれ7歳の娘とはぐれたと述べた。「すぐ近くで銃撃戦が発生し、娘とはぐれてしまいました...」
アフガン軍当局は8日、「国軍と米軍はラシュカルガーのタリバンに対する空爆を強化し、多くの戦闘員を殺害した」と主張した。しかし、タリバンは声明で、空爆はラシュカルガーにある病院と学校を破壊したと反論している。
地元メディアによると、激戦地になったラシュカルガーに立ち入ることは極めて困難だという。
アフガニスタンの米国大使館は8日、タリバンの地方都市に対する暴力的な攻撃を非難し、「タリバンの非人道的な規則を地域住民に課すことは容認できない」と述べた。「タリバンの規則は民間人の福祉と権利を軽視しており、アフガニスタンの人道的危機を悪化させるだろう...」
地元メディアはクンドゥズの占領について、「タリバンは北部の最重要拠点を手に入れた」と報じた。クンドゥズ州の人口は約95万人、州都クンドゥズの人口は約34万人ほどで、鉱物で有名な北部地域の玄関口と見なされている。
またクンドゥズには首都カブールにつながる高速道路があり、さらに隣国タジキスタンと国境を接しているため、戦略的にも非常に重要である。
タジキスタン国境はアフガニスタンで生産されたヘロインの主要密輸ルートのひとつであり、一部の専門家は、「タリバンは世界を代表するヘロイン供給ルートのひとつを支配下に置くことで資金力を強化した」と指摘した。
アフガニスタンは世界の違法ヘロインの90%以上、ヨーロッパに供給される95%以上を生産している。
タリバンは2015年と2016年にもクンドゥズを占領したが、体制を長く維持することはできなかった。